本書は2000年~2003年にかけて「高校新報」紙に掲載された記事を単行本にしたものです。著者は池田大作氏の長男で創価学会副理事長の池田博正氏。創価学会の中では滅多に目にすることのない、池田家のプライベートな家族写真が何枚か掲載されていたり、池田家の中の話も自然体で書かれているので興味深く読みました。私は特に第1章「わが家の青春桜」が印象に残りました。著者の幼少期から教員となって活躍される頃までの話です。池田家のご本人たちが珍しく家族について語られた書籍は本書の他に「私の履歴書」「香峯子抄」などがありますね。ところで、まだ創価学会の重責に就かれる前のことですが、創価学会員の方に連れられて池田博正氏にお会いしたことがあります。拍子抜けするぐらい気さくな普通の人で、むしろ地味な印象が強い気配りの方でしたね。「ひ弱なボンボン」「プリンス」とはかけ離れているけれど押しが強い訳ではない、といえば氏のイメージが伝わるでしょうか。その後、偶然再会したときには私を覚えてくれていて池田博正氏の方から声をかけてもらいました。そのときの氏の印象からすると、本書はちょっと文体が硬いようにも思います(池田さん、偉そうなことを書いてすいません)が、自然体で読みやすい文章だと思いますので創価学会婦人部の方にもおすすめです。(おまけ)この本は「新装版」ですが、「旧版」のレビューを見ると「息子かわいやかわいや」というタイトルで本の内容と関係ないことを書いた批判が掲載されていますね。著者本人に会ったわけでもないのに感情をぶつけて書いているのを見ると、その幼稚さを哀れに思います。私も別に池田家の肩を持つ気はないですが、ここは書評欄なのですから冷静に本の内容の感想をお書きになるべきでしょうね。本の内容に関してなら批判も大いに結構だと思うのですが、多分この本をお読みになっていないから書けないのでしょう。この方は「世襲」に興味がおありのようですが、世襲ってそんなに悪いことなんでしょうか。私も同族企業に勤めたことがあるのですが、そう悪いところでもなかったですけどね。もっとも、池田博正氏に実際にお会いした印象では世襲するつもりはなさそうにお見受けしました。ご本人が辞退しても、周りがどうするかは私にはわかりませんが。 青春の道―私の若き日の記録 随筆 関連情報
池田博正氏は、アメリカ創価大学の、第1回、第2回の入学式に創立者の名代として参加されている。あいさつの中で、アメリカ創価大学が、民衆立の大学であり、世界の無名の庶民の真心にささえられている具体例が紹介されていることが感動的です。ハブキ学長が、大阪を訪れた際に非常に高額の寄付をして下さった婦人の家を訪ねたが、想像していたよりあまりに質素な家なので通りすぎてしまったとのエピソードには、胸が熱くなりました。婦人曰く「自分は豪勢な暮らしはいりません。池田先生の教育の夢のお手伝いができることが一番の喜びです」と。「大学は誰のためにあるのか?それは、大学に行けなかった方のためにある。」とは、アメリカ創価大学創立者池田大作先生の言葉です。大学を卒業された人達がこの言葉を胸に刻めば、それだけで、もっともっといい社会になるのではないでしょうか。 青春の道―私の若き日の記録 関連情報