無伴奏チェロリサイタルというと、まずバッハ、ブリテン、コダーイ等有名ですが、このアルバムはそれらははずしていてまずカサドのスペイン風の”組曲”とイザイが珍しい。現代無名曲のみのプログラムでとても無機的な音楽なんじゃないかと思われた人(私もそう始めは思いました)騙されたと思って是非聴いてみて下さい。さすが”歌の国”イタリア人のブルネロだけあって、どのバッセージにも血が通い、よくチェロが鳴り歌っています。ピュアなチェロの響きに心が吸い寄せられるでしょう。 マリオ・ブルネロ 「アローン」 関連情報
僕は偶然紀尾井ホールでのライブを聴き、そのときはブルネロのチェロに本当に感動しました。CDで聴きなおしてみるとブルネロの演奏はもちろん良いのですが、生演奏の臨場感には負けます(あたりまえか)。それより驚いたのは、ブルネロが指揮したメンデルスゾーンの「イタリア」です。紀尾井シンフォニエッタの繊細で瑞々しい演奏がすごく良いです。ぜひ聴いてみてください。 マリオ・ブルネロ&シンフォニエッタ東京 関連情報
無伴奏とはなっているが、実際にはチェロ独奏と「何か」との共演による曲が3つ。ブルネロとは盟友と言われるソッリマの曲はエレクトロニクスと、スカルソープは合唱と、そしてシェルシは打楽器との協奏による。 ソッリマは、その華麗な音の饗宴に耳を奪われる。どこまでが独奏の音なのかもはや判断がつかないが、それでもなおすごいテクニックで弾かれているらしいことはわかる。スカルソープの曲は、以前ウィスペルウェイの独奏によるものが出ていたが、このCDでは合唱が加わったことにより、静謐さが増したようだ。3人の作曲者のうち、シェルシのみ既に他界しているが、曲の印象もやはり少々インパクトが弱いと感じられる。逆説的だが、一番「現代音楽風」であることが古さを感じさせるようだ。 ブルネロの演奏は、そのテクニックと、さらに、何か人を引き付ける吸引力でもって聴く者の耳をつかむかのようだ。ここには三者三様の独自の音楽が奏でられており、未知の新しい音楽との出会いがある。 無伴奏チェロ/マリオ・ブルネロ 関連情報



















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