デビュー当時から評判が高かった人だが,個人的にはなかなか食指が伸びなかった思い出がある。ジャケットに写ったむさ苦しく野暮ったいルックス。そのくせ“ミュージック・ソウルチャイルド”などとやけにスケールの大きな名前を名乗っていて,胡散臭く思えたからだ。ところが,「人を外見で判断してはいけない」とは,まさにこのことで,聴いてみると上質のソウル・ミュージックが満載されていた。そのデビュー作(2000年)から早や3作目。アルバムのリリース・ペースが2~3年に1枚というアーティストが増えている昨今のR&B界において,これはかなりのハイペースと言えるだろう。今回もタイトルは『Soulstar』と大きく出た。アルバム冒頭を飾る,そのタイトル曲はフィリー・ソウルの再現とも思えるメロウなミディアム。その後,愛らしいフレーズをループした「Youloveme」,スタイリティックスを思い起こさせるシタールを起用した「Womanopoly」と続き,ハイライトの1stシングル「Forthenight」。近々デビュー予定という双子姉妹デュオのエイリーズをフューチャーしたメロウでスムースなアップテンポである。この曲と,'70年代の香りを色濃く残す小粋な「Givemorelove/leaveamessage」が出色の出来。この他,ストーンズの「Missyou」をちょっとラフでグルーヴィーにカバーしたり,スティービー・ワンダー風の歌いっぷりが印象的な「Whereareyougoing」もいい。R&Bが「ソウル」と呼ばれていた頃の雰囲気に浸れる秀作。余談ながら本作はポータブルCDプレーヤー等ではなく,ステレオで聴いていただきたい。そうすると,今風のビートと,'70年代風のメロウなサウンドの微妙なバランスを気持ちよく感じることことができる。 ソウルスター 関連情報
ゴージャスな映像で巨大な風呂敷を広げる、楽しくカッコ良いスペースオペラ映画。劇場公開版で感じる脚本のチグハグな印象はディレクターズカット版で相当に改善されるので、劇場版で期待はずれだった人も、できればDC版を見て頂きたい。とは言え、レンタルでは通常版しか置いていなかったりする訳で…。本作はヴィン・ディーゼル自身が三部作として企画し、共同プロデュースを努めている作品な訳だが、彼にはハリウッドでの発言権を強めて、続編は長尺のままで劇場公開できるようにして欲しいものである(長ければいいってものでもないが)。それと、「マイナス300度」という設定を馬鹿にしている方がいらっしゃいますが、これは勘違い。アメリカで使われている温度の単位は摂氏でなく華氏であり、だからアメリカ映画で温度が○○度と言えば、それは基本的に全て華氏です。華氏で-300度というのは、摂氏にすると-184度くらいです。 リディック コレクターズ・エディション [DVD] 関連情報
作品自体はたいしてヒットしなかった(むしろ赤字)ですが、個人的には好きな作品です。内容は、宇宙支配を企む集団(ネクロモンガー)の野望を食い止めるため、宇宙一のお尋ね者(リディック)が立ち向かうという一見ありがちなSF作品ですが、独自の世界観とシェイクスピア悲劇を彷彿とさせるストーリー展開が相まっており、なかなか面白いです。また、顔面を模った戦艦や煙のような姿をした種族、サーチ能力を持つ生物といったように、出てくる造形物やエイリアンが個性的であり、SFといっても神話性が強く、その点はスターウォーズに近いところがあります。尤も、内容は渋くダークな世界観なので似て非なる別物といったとこでしょう。ただし、リディックが宇宙一の悪という感じがせず(チョイ悪程度)、ネクロモンガーもあまり悪の集団らしさを描ききれていないのが残念でした。そのせいかヴィンがラジー賞最低主演男優賞受賞という残念な結果となってしまいました。しかし、主演のヴィン・ディーゼルはこの作品と役を非常に気に入っており、興行的には大失敗であったにもかかわらず、ヴィンの強い要望で続編を2作も製作予定中だそうです。全体的に激しい宇宙戦争シーンやアクションは少なめですが、地味ながらも内容の濃い宇宙の神話が見たい方にオススメ。 リディック【日本語吹替版】 [VHS] 関連情報
リディックの続編ということでタイトルに「ギャラクシーバトル」とある。前作では、リディックがネクロモンガーの王(ロード)となり、ギャラクシーバトルというからには、銀河中で戦争状態になるのかと思いきや…第1作のピッチブラック的なある星でのモンスターバトル!!!でも、面白かった。日本で話題にならなかったのが残念なくらい。ちょうど我が国では「アナ雪」旋風でしたから…。物語の前提として、前2作の「ピッチブラック」「リディック」がありますが、まあ、見てなくても、なんとなく分かる。前作とのつながりは、薄めです。仮に本作が「リディック3」とでも言っていたら間違いなく駄作ですが…本作だけで十分完結する出来。「ピッチブラック」から続けてみている人には、より楽しめる。そんな、いい感じな中間をとってくれているのでお勧めできる作品。 リディック:ギャラクシー・バトル Blu-ray 関連情報
劇場版を見てからこの本を買いました。劇場版では何か物足りないと感じましたがこの本はボリュームがあり納得してます。ハラハラする映画が好きな人にオススメ! リディック (角川文庫) 関連情報