以前、ヨーロッパをフラフラしている途中の南
フランスで、
フランス料理を食べましたが、
日本で食べるような堅苦しいような雰囲気は全然なく、すっごく気軽食べることができた上、
とっても美味しかった思い出があります。
この本は、その時の味を思い出させてくれました。
舞台は、下町の片隅にある小さなビストロで、お店の名前は「ビストロ・パ・マル」。
そこの従業員は、そのお店で起こるちょっとした事件を解決する、無口なシェフの三舟さん。
その三舟さんの無口さをカバーするかのごとく愛想の良い料理人の志村さんとソムリエの
金子さん。そして、物語の語り役で、ギャルソンの高築くんの4人です。
そして、もちろん。どのお話にも、すっごく美味しそうな料理の数々が出てきますが、
その内容は、
・憧れを取り戻すためのお料理「タルト・タタンの夢」
・人生が変わるような一品「ロニョン・ド・ヴォーの決意」
・消えた人形はどこへ?「ガレット・デ・ロワの秘密」
・人の話は真剣に聞きましょう「オッソ・イラティをめぐる不和」
・ないはずのお酒で泥酔事件「理不尽な酔っぱらい」
・恋人の作った最低の料理の意味は?「ぬけがらのカスレ」
・素数の詰め合わせチョコレートの意味「割り切れないチョコレート 」
の7つです。
料理を作った人の気持ちや想いも語られていて、読みながら、「作ってもらったものは、
すべて美味しく頂くべし!」と改めて感じた本でもあります。
なかでも、一番気に入ったお話は、一番最後の「割り切れないチョコレート 」。
タイトル通り、チョコレートにまつわるお話ですが、「詰め合わせの個数が奇数で、
割り切れない数にしているのはどうしてか?」という小さな謎と、切なくも割り切れない
気持ちを掛け合わせてあって、読んでホロリときました。