「シンデレラ・サマー」や「ふたりの愛ランド」等のヒットがあるとはいえ、なぜか彼女が
メジャーになったとは思えなかった。透明感のある声で歌はうまいのだが、特に85年以降、プレッシャーか曲作りにどこか迷いがあったと思われ、一部のシングル曲を除いて楽曲的にも少し苦しいところが見受けられたように思う。今思えば、シンガー・ソング・ライターとしてのプライドがあったのかも知れないが、休業(90年)の同時期、谷村有美が外部ライターに名曲をもらって飛躍していったように、もう少し外部ライターに頼っても良かったのではないだろうか。さらに、アイドル的なルックスを持ちながらも十分には個性を生かしきれなかったようである。もうひと工夫でもっともっと評価されても良いシンガーであった。
それはさておき、このベストアルバムにおいては、上記の他「kiss Me すうぃ~と」「恋のトラブルメーカー」「春でも夏でもない季節」がいい。また、ここには収められていないのだが、「素敵なモーニング」が個人的に非常に懐かしい思い出として残っている。ぜひ収めてもらいたかった。
80年代初め頃、彼女がラジオの深夜放送でお笑い芸人たちとはしゃいでいた時期、その頃が最も印象的であったと思えるのは、シンガーとして評価される彼女にとって、何とも皮肉なことかもしれない。
石川優子の声はホントに澄み切っていた。歌は上手だし、きれい・・・もっと売れてもいいのにといつも思っていました。
彼女の真のヒット作と言えるのは「シンデレラサマー」くらいでしょうか。それとチャゲ作のデュエット「ふたりの愛ランド」。
その前から結構いい曲があったのになぜかヒットせず、当時の石川ひとみ同様イライラしていたものです。
ここのアルバムをみても、この曲、あの曲と思いを巡らすものが多いのは確か。シンガーソングライターである彼女の軌跡を知るには良いアルバムと言えるでしょう。
しかし、私にとっては「素敵なモーニング」が無いのがなんとも辛い。
この曲は名曲なのに不思議とCDでも廃盤の憂き目に遭っていて、数少ない収録アルバム、「コンプリートシングルズ」「シングル・コレクション1979〜81」、
そのいずれもが入手できない現状となっています。ぜひ復活してもらいたいものです。
最後に、なんだかんだ
タイトルつけても、結局はベストアルバムなんですよね、これは。