もう他のレビュワーさんが指摘しているが、この本は
ベテルギウスの超新星爆発「だけ」書いた本ではない。
どちらかというと超新星爆発全般を手堅く扱った入門書である。
ベテルギウスの超新星爆発はイントロとして使われているというのが正しい。
ベテルギウスと言えば、オリオンの二つの一等星のうちの一つだ。
だが、この
ベテルギウスが超新星爆発して消えるかも、というニュースが流れた。
一体どういうことなのか、本当に起きるのか、起きたらどういう影響があるのか、第一章ではそうしたことが書かれている。
しかし、それだけで一冊の本にはならない。
第二章以降では星の一生と超新星爆発、天文学がどのように発展してきたか、などが分かりやすくまとまっている。
最終章では、最近
ノーベル賞を受賞した「超新星爆発の観測による宇宙の加速膨張の実証」がどういうことかについてまとまっている。
超新星爆発を切り口にした宇宙本だと考える方がいいであろう。
そう見ればなかなかよくまとまっている本である。
とてもわかりやすい表現でまとめられているので、オリオン座の
ベテルギウスのことがよくわかった。
筆者はこの手の本が苦手で、今までもほとんど読まずに(いや読めずに)ノックアウトされてしまったことは枚挙にいとまがない。
超新星爆発がなぜそう呼ばれているのかといったことから、未来の天文学がどのように進展していくかということまで、宇宙が膨張しているのと同等に天文学も果てしなく小難しいはずだが、実に身近に感じられた。
本書により夜景ばかりでなく星空を眺めながらロマンチックを語れる一助になる・・・かも。