最初からどんどんと引き込まれていってしまう。「この後どうなってしまうのか」という緊張感とハラハラ感がこの映画の最後まで続く。ヤクザ映画とうのは,好んで見てはいないが,この映画にはその世界の厳しさと人間の深い感情というものが伝わる。
結局,この映画で伝えたかったことというのは,人間同士の深い愛情というものなのだろうと考える。つまり,この映画の
タイトルの「ブラザー」は山本という主人公と弟との兄弟愛だけではなく,山本とデニーとの友情も含まれているのだろう。そして,後者の方が圧倒的に存在感があったのではなかったのだろうか。その根拠として,この映画の中で山本は弟よりも先にデニーに出会い,そして弟よりも後にデニーと別れている。
そして,不思議なのは山本とデニーはなぜ,最後にマフィアのボスを殺さなかったのかということだ。殺すとまた復讐されるからだろうか。だから,山本はデニーを死んだと見せかけて,ボスを逃がし,自らの死をもって,この戦争を終わらせたということなのだろうか。素人にはなかなかわかりずらい結末であった。しかし,映画全体の完成度は非常に高いと感じられた。
たけし監督によるバイオレンス映画。アメリカでのし上がりそして破滅していく様を描いている。
タイトルは最後の場面のセリフから引用したもの。
細かい所まで表現しているのでDVDで見た方がより深く楽しめるのでは?と思う作品です。