ガリア戦記 (講談社学術文庫)の第八巻からの続き。
内容は以下の通り。
【第一巻】
ルビコンを渡り、
イタリア、マッシリア、ヒスパニアでの戦い。
【第二巻】
マッシリア攻略、アフリカでの敗北。
ここまでは紀元前49年の出来事。
【第三巻】
この巻は紀元前48年の出来事。パルサルス(ファルサロス)の戦いと、ポンペイウスを追って
エジプトへ。そしてアレクサンドリア戦争の開始で了。
訳はちょっと違和感ある箇所がちらほらあり。
たとえば83ページのカエサルの台詞で「政務官の権限がみだりに変更されたのは私のせいだ。」とあるけど、「せい」は、確かに原因をあらわす言葉だが、悪いことをした「原因」という意味じゃなかろか。前後の文脈からはむしろ、例えば「私を狙ったものだ」とかカエサルを追い落とそうとするような意味がでるような言葉を選択したほうがよかったのでは?
ガリア戦記 (講談社学術文庫)と同様に、索引とリンクした地図があるのは高評価。あと部族・地名索引、人名索引、日付表が付録にある。
訳者あとがきには、カエサルについて他書に書いた文も引用されていて、本人はそれを若気の至りの表れと表現しているけど、カエサルに興味を持たせる熱い文章だと思う。
むずかしそうでしたが、カエサルが大好きなので、読んでみました。知らない固有名詞がどんどん出てきて難しいですが、気にしないで読んでいったら、戦いや、演説や、嵐や、航海のイメージが見えてきて、楽しかったです。長いセリフはミュージカルのようです。占いの内臓は怖かったです。
後篇では
クレオパトラが出てくるのでしょうか?