1960年代の日本のフォーク・ブームは外国曲のコピーから始まりました。当時、我が国でもピーター・ポールアンドマリーと同様に人気があったのが、ブラザース・フォアでした。
ギター伴奏にのせて、男声4人によるコーラスは、比較的簡単なハーモニーで歌えることもあり、当時のフォークグループの雛型になったのも理解できます。
ブラザース・フォアのヒット曲は沢山ありますが、列挙しますと、このCDに収められている「グリーンフィールズ」「遥かなるアラモ」「七つの水仙」「さらばジャマイカ」「花はどこへ行った」「500マイル」などが上げられます。どれも日本のフォークグループにカバーされた曲ばかりですので、当時のフォークシーンを語る上ではずせない曲ばかりですね。
「トライ・トゥ・リメンバー」のハーモニーの美しさは、今でも十分鑑賞に値します。シンプルなコード進行で彩られた4人のハーモニーの中に、温かさや懐かしさが込められています。
「グリーンスリーヴズ」のように、昔から歌われてきた曲も美しい和声のお蔭でその良さが再認識されたと思っています。
ジュディ・コリンズやジョニ・ミッチエルの名唱が思い出される「青春の光と影」も男声4人のハーモニーで聴くとまた違った哀愁が感じられます。
確かにブラザース・フォアの演奏スタイルは古くなりましたが、味わいは今でも十分感じ取ることができます。
昔懐かしい曲を久しぶりに聴くとまた違った魅力を発見できます。
北京にテニス仲間と行きましたが予習のために購入しました。
少しは予習になったかな
大資本家サミュエル・ブロンストンが60年代初頭に立て続けに製作したスペクタクル大作の中の一本です。監督は『キング・オブ・キングス』で卓越した手腕を見せたニコラス・レイ。しかしいかんせん題材が良くなかったのか、ここではいささか精彩を欠いています。
舞台は1900年の中国。列強諸国を駆逐するためにおこった義和団の乱に対しての各国の抵抗が繰り広げられます。侵略されている側であるはずの
西太后率いる中国皇帝府がなぜが悪者のように扱われているあたりから不快度が増します。加えて、列強諸国の行いに戒めを与えているわけでもないところが、本編をただのスケールの大きなアクション映画に降格させています。さらに、本筋にはまったく関係のない
ロシア貴族のスキャンダルに時間を割くあたりは、水増しなのではないかと思わせるくらいです。
これは薄味で大盛りのアメリカ風中華料理といったおもむき。すべてにおいて中途半端なのですが、巨大なセットと『ベン・ハー』や『史上最大の作戦』などでも活躍した戦闘シーンのプロ、アンドリュー・マートン指揮による迫力ある野外戦は圧巻。また、中国人の母とアメリカ人の父を持つ健気で賢い少女のひたむきさが胸を打ちます。彼女を主人公にしたほうが、数倍味わいのあるドラマが出来たのではないかと思います。
日清戦争後の中国における義和団の乱を題材に制作された映画ですが、史実とは異なり、アメリカ中心、アメリカがヒーローの主役といういかにもアメリカ人が好むシナリオになっています。本当は、この戦闘において最も活躍し貢献したのが柴五郎中佐率いる日本軍であったのですが、映画のなかでは添え物程度の存在として描かれているだけです。史実を確認されたい人は、潮書房光人社NF文庫「守城の人(明治人 柴五郎大将の生涯)」をお読みになるようお薦めします。800ページ近い大作で、ハイライトがこの
北京の55日となっていて大変読み応えのある面白い本です。でも、映画を娯楽として割り切ってご覧になるのであれば、この映画は今流行りのCGも使わない大作であり楽しめる作品と思います。