画質に関しては基本的に新作カットも含めて16mmからのブローアップなので
劇場版イデオンBD発動篇の新作パートほどの高画質とは言えないが、
丁寧なマスタリングでBlu-rayソフトとしては及第点以上。
「めぐりあい宇宙」では時間の都合で一部35mmで撮影したカットもあり、
その部分はBlu-rayではよりきれいに見える。
自身で確認できるのはTV版のLD-BOX以降だけど、恐らくCAVマスターグレードBOXの時点で
修正されていた鉄人に関しては、今回も残念ながら修正済み。ここに関しては
(少なくともソフトとして売られる物では)もうオリジナルの映像を観る事は
できないのだろう。
コメンタリーは作品ごとに毛色が異なっていて、いずれも興味深い話が聞ける。
特別版については、フィルムロールチェンジ部分等で
ズレが生じている様で、全体尺が微妙に異なっているため
劇場公開版の映像にそのまま音をつけられないので
Discを分けたのだと思われる。ズレている部分を全て洗い出して
音声を合わせ直すのは現実的ではないだろう。
映像特典Disc1は映画の特報・予告・CMとDVDやBDのPV・CM等の他に以下が収録されている。
・10周年記念映像「ALL THAT GUNDAM」
「ポケットの中の戦争」のビデオ/LDの全巻購入特典だったもの。
・20周年記念映像「The Impression of First GUNDAM」
イベント上映用に作られたもの。ビデオでも売られており、BDはビデオと同様に
1画面内に3つの画面を同時に表示している。内容は「30分で分かるファーストガンダム」。
このために音を新録していて、中村秀利のジーンや中村大樹のスレンダーを聞く事ができる。
20周年記念ではもうひとつ大友克洋の「GUNDAM Mission to the Rise」が作られているが、
そちらは残念ながら未収録。
・30周年記念映像「Ring of Gundam」
機動戦士ガンダム30周年ドキュメンタリー メモリアルボックス 【初回限定生産】[Blu-ray]にも
収録されているが、そちらを買ってない人には嬉しい特典だろう。
・30周年記念映像「GUNDAM PERFECT MISS
ION」
歴代ガンダムが次々登場する、「ALL THAT GUNDAM」のアップデート版とも言える映像。
映像特典Disc2にはI〜IIIの台本とII・IIIの絵コンテが静止画で収録されている。
高解像度スキャンのセル画名場面集も収録されており、個人的にはこれが一番の目玉。
大量のセル画をバレ部分も含めた状態、本編フレームのみの表示、フル画面と
切り換えて鑑賞する事ができる。もしあのカットやこのカットが35mmで撮影されていたら
こんな風に見えてたかも・・・という楽しみ方もできる。
ひとつ残念なのは、「めぐりあい宇宙」でCLV版のLDの音声が未収録だった事。
クライマックスでの「ビギニング」の流れるタイミングが劇場公開版と異なっていて
個人的にはそちらの方が好みなのだけど、CAVマスターグレードBOX以降は
劇場公開版の音声を収録する形になってしまった。今回はひょっとしたらオマケで
入れてくれるかな、と期待していたのだけどそれは叶わなかった。
ブックレットは通常版はキャラクター&MS紹介、富野由悠季、安彦良和、
大河原邦男のインタビュー掲載で24ページとの事。
プレミアムエディションでは富野、安彦、大河原各氏の他に
古谷徹、池田秀一、潘恵子、近藤良英(松竹劇場宣伝部)、田中利推(
講談社)、
小牧雅伸(アニメック編集部)のインタビューと野辺忠彦(配給渉外担当)の寄稿、
イラスト
ギャラリー、マテリアル集の他、当時のアニメ誌や新聞等の記事が
大量に掲載されていて200ページもあり、読み応えがある。
パンフレットはDVD-BOXに付属していたものと同様に一部再構成されていて
声優の写真が載っていたページが削除されている模様。「めぐりあい宇宙」の
パンフレットはDVD-BOXのものは初版だったが、BD-BOXのものは増刷された時の
ものをベースにしている。初版とは画面写真等一部が異なっているとの事。
その他にI〜IIIのチラシ、I、IIIのプレスシートも封入されている。
過去のLDやDVDでは特典がやや寂しかったが、今回はてんこ盛りで満足。
前述のCLV版音声の件だけちょっと残念ではあるけど。
特別版はいらない、と通常版を選ぶ人も少なくはないと思うけど、
高解像度スキャンセル画名場面集は必見なのでそのためだけに
こちらを買うのもありかと。