デジタル・リマスターが施された「続 荒野の用心棒」は、画質が格段に向上した。クローズ・アップの画面では、ジャンゴのしわや毛穴までもがはっきり確認できるほどだ。色彩も全体的に鮮明になったので、草色や土色の発色が豊かな荒野の風景を楽しめる。時々画面がちらついたり、盛大なノイズが入ったりもするが、これほど画質が鮮明なら、それもご愛嬌だと笑って許したいところである。
日本語吹き替えは、チャプター紙には「ごく僅かに吹替の存在しない部分があり、その部分のみ、
英語音声と日本語字幕で再生される」と書いてあったが、確かにそのとおりであった。ただし、長さを正確に計測したわけではないが、その部分はせいぜい数分程度だ。鑑賞中に気になるほどではない。むしろ、小林清志さんや来宮良子さんらによる親しみ深い吹き替えが収録されたことが、個人的にはうれしかった。
クリント・イーストウッド主演の「荒野の用心棒」とは、実は無関係の本作品だが、娯楽度満点のマカロニ西部劇であることに違いはない。
タランティーノ監督やジョン・ウー監督がお好きな方なら、観ながらニヤリとすることもあるだろう。理屈抜きの娯楽映画がお好きな男性の皆さんに、特にお奨めしたい作品である。
イーストウッドの出世作、マカロニウエスタンの走りとなった作品ですが、コスチュームの格好よさ、音楽の良さ、アメリカの正当西部劇と違う魅力があります。ジョン・ウエインの西部劇は好きではなかった私も、これなら気に入りました。
この映画の影響は、日本にもかなり現れたようで、70年代にTVで流行った「木枯らし紋次郎」のいでたちなんか、そのまんま時代劇に置き換えたみたいです(カウボーイハット、ポンチョ、葉巻が、三度笠、道中合羽、楊枝。おまけに二人ともヒョロ長)。結構、日本人受けする要素の多いウエスタンです。ちなみにストーリーは黒澤明の「用心棒」といわれていますが、「用心棒」を見ていないので本当かどうか知りません。
イーストウッドがぼろぼろになって逃げるシーンがある。黒澤作品のほうも三船がぼろぼろになって逃げるシーンがある。この映画の中でなぜかそこが一番記憶に残っている。それは主人公が(しかもアクションものの)めちゃくちゃにやられて人相が変わるくらいにぼこぼこにされているというのが、ひどく珍しかった気がしたからである。イーストウッドは強い役が多い。ダーティハリーの中でも犯人にぼこぼこにされてはいるのだが、その印象が長引かない。やっぱり日本作品が原作のためか他のイーストウッドの出演作品とは違う感じがする。アクションシーンの強さは健在なのだが。それでもやっぱりイーストウッドの西部劇はカッコイイ。ジョンウェインの西部劇より好きだ。ヒョロヒョロした風体に噛みタバコ、もしくは葉巻かな。いい奴じゃないけど、人を助けたりする。上手く書けないけど格好良さは見れば解かると思います。持ってる銃もでかい。日本語吹き替えがないのは残念、結構山田康雄の吹き替えも格好良かった。(アドリブいっぱいで)