映画を見ていない人でも、この音楽はおすすめです。もちろん、映画を見ればその感動は100倍にもなるでしょう。セリーヌ・ディオンの歌う「Then you look at me」はとても胸に響くし、スコアも申し分ない出来だと思います。疲れている人におすすめ。
人間の心を持ったロボットのお話。
アシモフの中篇「バイセンテニア
ル・マン」をロバート・シルヴァーバーグが長編化。
アシモフの原作も良いのだが、いかんせん字数制限のある中で描かれたものなので、描写はとてもシンプル…故にちょっと食い足りない。
だが、この作品はそれを上手に補い、また主人公ロボット「アンドリュー」の人間味も増している。
アシモフの作品中に登場するロボットは、大体がとてもロボット然としている。だからこそ魅力的でもあるのだが、アンドリューはその壁を易々と超え、人間らしい親しみを込めた仕草で、こちらに手を差し伸べる。それが読んでいて嬉しい。
序盤の「いってみれば、好奇心の問題である。」という一文には思わずにやっとしてしまった。
アンドリューが服を着て、図書館に本を借りに行こうとするくだりはとても可愛らしかった。自分の思いつきに舞い上がり、電位(ポテンシャル)が跳ね上がるのを感じるアンドリュー。これほど感情豊かなロボットは、私が今まで読んだアシモフ作品には出てこなかった。
ロボット然としたロボットの代表格、「R・ダニール・オリヴォー」も大好きだが、彼とは正反対のアンドリューも同じくらい大好きになってしまった。
人間の心を持つが故に、人間になりたかったアンドリュー。彼が最後に選んだ道に、涙が零れました。
気になった方は、ぜひ「ダニール」シリーズを読んで、ロボットロボットしたダニールの性格にどっぷり浸った後でこの作品を読んで下さい。その落差が気持ち良いです。