ブレイン・スナッチャー~恐怖の洗脳生物~ [VHS]
原作をよく踏まえた良作です。
寄生前後を役者の演技に頼った演出がいい。
UFO見物客の行きと帰りの様子が明らかに異なったり、
わざと胸の谷間を見せても無反応なので見破ったりと細かい演出が光ります。
登場人物がひととおり寄生されるという恐ろしい状況が。
それにより侵略者の記憶をも共有する展開も見事。
一番光ってるのが、やはりドナルド・サザーランド。
怪しいジジイをやらせれば天下一。
異形の侵略者相手でもマイペース。
侵略者をして「手ごわい人間」と言わしめる地球最凶の敵だ。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.33 YOU CAN (NOT) REDO.(初回限定版)(オリジナル・サウンドトラック付き) [DVD]
劇場公開時に運悪く海外に居て見ることが出来なかったQをようやく見ることが出来ました。
ネタバレを避けるため今日までエヴァQに関する情報は遮断していたのですが、それでも話題作ゆえに評判は漏れ聞こえてきました。
聞こえてくる評判は何やら不評なものが多かったのですが、実際に観てみるとそれも納得の出来でした。
映像美はさすがです。初めて序を見た時のような感動はありませんが、戦闘シーンは相変わらず大迫力で大満足の出来。
舞台設定も大きく変わっていることもあり片時も目が離せません。
その一方で致命的なくらい話の構成がいまいち。序盤が山場であとは下る一方。
序盤はシンジの心情にシンクロして「何が何だか分からない」状態だったのに、途中からはTV版のようにシンジにイライラしっぱなし。
また、新キャラどころか前作から登場しているマリすらイマイチ存在感を示せていません。その代わりアスカは大活躍ですけど。
従来作と異なる斬新な設定で視聴者に衝撃を与えようとしたような作りですが、蓋を開けてみれば私が一番衝撃を受けたのはリツコさんの新ヘアースタイルだったという……。
破がTV版の設定を踏まえつつ雰囲気を大きく変えた作品だとすると、Qは世界観を一新したが雰囲気はTV版(と旧劇場版)のままと言った印象ですね。
この賛否両論具合こそがエヴァらしいと言えばらしいのかも知れません。ただ、エンターテイメントとしては今作Qはダメダメです。
ストーリーや展開はいまいちなのに目が離せない映画です。この感覚はリュック・ベッソンの『グランブルー』を思い出しました。
おとしばなし「吉朝庵」 その5 質屋蔵/子ほめ