いいですよ〜。どうしようもない人たちのお話ですけど、憎めないのです。
個人的に原田さんが好きなので、これはかっこいいというのと、どうしようもないというのとの真ん中くらいの感じで…。雲霧仁左衛門と
ルパン三世の、足して三で割ったみたいな感じがしています。
元すご腕のスリと、それを取りまく人たち。ろくでなしのようで、守るべき一線をしかり持っている人たち。
また、アルコール依存を克服する会を主催する女性を、風吹ジュンが。一見しっかりしたいい人そうで、寂しく可愛く演じています。
いしかわじゅんは漫画に詳しいだけでなく、マンガ界の事情に詳しい。作品が世間から孤立して生まれるわけではないのだから、それが描かれた時代背景や業界事情を勘案しなくては的確な評論はできない。いしかわじゅんは、まさにソコをついた解説をしてくれる。
惜しむらくは、マンガそのものについての評論が文字によるものでしかなく、絵を使った技法の解説がなかったことだ。