SoftBank SELECTION 録画対応
iPhone・
iPad用デジタルTVチューナー SB-TV03-WFRCの後継機種。今回は外出先からでも視聴ができるエリアフリー対応が目玉機能ではあるが、設定の手軽さとセキュリティの安全性という点ではWiFiの
暗号方式がWEPから
WPA2 PSK-AESに変更されたのが一番重要な点といえよう。WEPの場合、
暗号キーを簡単に解析される危険性があり、APモードでの利用は躊躇せざるをえなかった。今回、標準で
WPA2対応となったためAPモードを利用するという選択肢が実用的となった。従来の機種でルーターとの相性によりSTモードの利用ができずに諦めていたユーザにもSB-TVシリーズを利用できる道が開けたのは大きいといえよう。これまでどおりパスワードを標準のものから変更できないという点は相変わらずなのが残念で、これが変更できるようになれば自宅で固定回線を利用しているユーザがSTモードを利用する必要はまず無くなるだろう。
各種セットアップやアプリの使用感は従来と同様。しかしながら、ネットワークの設定に自動検出が導入されるなど、細かい部分で使い勝手が向上しているように見える。エリアフリーについては、アプリの回線テストがいまいち正しく動いていないようだった。光ファイバ回線で5.2GHz帯のWiFiなのに視聴に適した回線ではないと表示された。だが、リモート接続に必要な各種設定を自宅回線で行った後に実際e-mobileの回線で接続したところ、問題なく閲覧することができた。アプリによる回線テストは購入前の判断に使うよう推奨されているため、もっと精度を上げるほうがよいと思う。また、外出先からローカル接続とリモート接続の切り替えを行うのにいちいち設定画面に移動するというのは面倒だ。回線接続中の画面でこれらを切り替えるようにするか、ローカル接続を探索した後、自動でリモート接続に切り替えるというような配慮が欲しいところ。リモート接続の際には自動的に回線速度に合わせて画質が変更されるが、これも設定画面に行って切り替えなくてはならない。ボリューム変更や録画開始ボタンなどと同様、視聴中の画面にこれらの設定項目も表示されて欲しい。本来であれば字幕や音声切り替えも視聴中画面で表示されるべき項目とも考えられるため、そろそろアプリのUIには抜本的な変更が必要な時期かもしれない。
このシリーズは販売開始直後、ファームウェアやアプリの動作が不安定な状態にある傾向が見られる。本機も同様のようで、まず現時点ではSTモードの動作が不安定。前機種で問題なくSTモードで視聴できているネットワーク環境において、チャンネルの起動が遅かったり、表示された後頻繁に切断される。APモード利用ではこの問題はない。これまでの機種同様、ファームウェアやアプリのアップデートで改善されることを期待する。一番困ったのは前機種に接続していたHDDを本機種につないだところ、フォーマットが必要になったこと。せめてここは互換性を持たせて欲しかった。著作権保護の観点から技術的に難しいというのであれば仕方ないが、可能であるならなんとかして欲しいと思うユーザは多いだろう。iVDR対応のディスクだとどうなるのかは分からないが、前機種で撮りためた動画を本機種でも閲覧したい場合はサポートに確認したほうがいいかもしれない。
総合すると、現時点では自宅に十分な速度の固定回線があってAPモードで利用したいというユーザであれば、前機種よりも本機種を購入するほうがいいだろう。逆にSTモードでの利用が必須の場合や、スタンドアローンモードで利用するだけでエリアフリーを使わないのであれば前モデルを購入する方をおすすめする。