苺とチョコレート [DVD]
観た時に一番最初に思ったのが
「好みじゃな〜〜い」
ってことだった。
何が????
主人公2人のルックスが。
でも不思議なことに
観ていくにつれて
どんどんどんどんチャーミングに見えてくるの。
考えてみれば
ゲイをある種偶像化して
勝手な物語性を押し付けるのは
観る側の勝手なやり方で。
本当はさ、
いろんなタイプがいて
めめしかったり
卑怯だったり
でも
自分の人生には雄々しかったりするのよね
なんてことを考えた作品。
観ているノーマルのエゴをも浮かび上がらせる秀作。
フィンランド・森の精霊と旅をする - Tree People (トゥリー・ピープル) -
写真と文章で構成されていて、まるで映画を見ているような感覚になります。
ひとつひとつの言葉が意味を持ち、美しいだけではない写真に目を奪われます。
森も人間も、同じ生き物なんだと感じさせてくれます。
イチかバチか買ってみましたが、私にとっては当たりでした。
静かに読みふけりたい そんな一冊です。
魔法のことば (文春文庫)
聖人・星野道夫の講演集。10回分。
池澤夏樹さんが「ゆっくり読め」、と巻頭に書き添えてある通り、下戸の僕でも一杯グラスを傾けながら味わいたくなるような言葉の宝庫。
「アラスカとは、『意味のない自然の巨大さ』がある土地」なんて表現には、参ってしまう。
神話、捕鯨、シャーマン、森、氷河、、、どの話題も彼と一緒に焚き火にあたりながら、肩を寄せて聞いている気分になる。最高のアラスカガイドブックだと思う。ポイントホープという村の鯨漁にまつわる神話を語り、神話を通して自分というものを世界に位置づけ、自分を抑制する事の重要性を語る。そして、神話を失った事で不安の消えない現代人ついて,1994年42歳の彼はこう結ぶ。
「もうそろそろ、僕たちは2000年を迎えます。そのときに3000年というものを人間が迎えられるかどうかという事を時々考える事があります。つまりあと千年なわけですが、もしも人間が3000年を迎えることができたなら、と、僕はこんな風にいつも思うんですね。
その3000年に生きる人たちが過去の歴史を振り返ったときに、本当に人間というものが進化していくものであれば、今がやはり人間が変わろうとしているときのような気がして仕方がないんです。
というか、変わらなくてはいけないという気がして仕方がない。その進化というのは、意識の変化だと思う。漠然としているのですけど、では意識の変化というのが何なのかというと、僕にはまだよく分かりません。ただこれから自分がアラスカにいて、アラスカの自然と関わる中で、何かそのきっかけとなるメッセージを送っていけたらと思っています。」