虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
佐藤亜紀が絶賛していたので読んでみたが、想像を遥かに凌ぐ傑作だった。何よりもこれほどの知識と技術を兼ね備えた作家が日本に存在していたことに驚嘆した。テロを掃討した先進国と虐殺の急増した後進国という近未来が舞台だが、それは現代社会の延長線上にあるものとしてのリアリティを獲得している。むしろ、本書は現代世界に生きる我々に肉迫したものですらあるのだ。ところで読者によっては、主人公の未熟な陰鬱さ、某漫画のパロディ、エピローグなどに対する賛否もあるらしいが、評価を下げるには至らない。それどころか、本書の魅力の1つとして、読後、「彼自身が侵されていたのではないか」という疑念が涌いてくることも挙げられよう。その筆力の凄まじさは宮部みゆき、伊坂幸太郎などの激賞にも覗える。余りにも稀有な才能を失ったこと、著者の夭折が惜しまれる。
追記:2000年代のSFは傑作『グラン・ヴァカンス』の飛浩隆、『Self-Reference ENGINE』で伊藤計劃と共に驚異的デビューを果たした円城塔など、素晴らしい小説家がまだまだ存在する。しかし、それでも伊藤計劃が超新星のような煌きを放っていたことは間違いないだろう。にしても、飛浩隆&円城塔の共作で遺作『屍者の帝国』が完成されないだろうか。この2人なら伊藤計劃も間違いなく満足するだろうに。追々記:…と思ったら、完成させてくれるらしい。
ICO公式ガイドブック (The PlayStation2 BOOKS)
ICOをプレーするにあたって、この書は必須です。通常にプレーしていると見過ごす箇所までしっかり丁寧に解説されており、ICOをしゃぶりつくしたい方は絶対購入すべき。
ブレイブ ストーリー 新たなる旅人
んー・・・まぁ、ブレーブストーリー好きの為のファンゲーでしょ??まぁ好きあからイイケド。。。
と思い購入。
で一言・・・すんませんっしたorz
いや これはかなりの出来ですな。すっごいRPGしてます。
システム自体はシンプルでわかり易くとっつきやすいし、決してそれが底が浅いとは思わない。
グラフィックは・・・はっきり言ってPSPと思えないほど美麗。
ただのイベントが映画でも見ているかのように淡くてキメ細かいので感動ですし、戦闘中にもかかわらずキャラの表情が豊かに動いてスッゲー綺麗!
女性キャラがすごく映えるので、可愛いと誰もが感じるのでわないでしょうかね。
ストーリーも秀逸で、根底にあるブレイブストーリーの面白さがどれほどかと言うのが良くわかります(・ω・`)映画も是非見ましょうw
無論原作を知らなくても十分理解できますが、知っているとさらに面白いでしょうね。
特筆すべきは原作を辿る物語ではなく、原作の主人公達と同じ時間、世界にいる違う冒険者達が主人公。
なので、トーゼン未知の物語なわけですからガンガン引き込まれます。
キャラ達の魅力がまた良い感じなんですよね(ノ∀`)
あと、ちゃんと原作キャラとの絡みもあり。(てか説明書にも載ってるから書くけど仲間になります)
さらにミニゲームやオマケ要素、収集、やりこみなどバランスはすごくいいです。
それにロードは早いですからストレスは感じないですね。細かい所までよく作りこまれていて、素晴らしいと思いましたね。
評価は「ブレイブストーリー好きだから!」ではなく、RPG好きとしての評価です。
PSPオリジナルタイトルのこの一本は、PSPを持ってる人なら是非購入しても良い作品だと思います。
(あとあんまり言いたくはないですが同系統でPS2とDSで出てる作品はチョイビミョウでしたorz)
火車 (新潮文庫)
この著者のSF物やファンタジーも捨てがたくはあります。
ですがエスパーも竜も登場しない本作は、構成といい、中身の濃さといい、宮部作品の中でも屈指ではないでしょうか。
物語の内容は少し重かったです。カード金融社会の裏とか自己破産といった話は、決して他人事ではなく・・・身につまされるテーマというのもありましたが、しかしそれだけはなく物語を追う視点の置き方の巧さと、説得力ある文章で最後まで目が離せません。
とくにラストの寸止め感覚がお気に入り。
一気に読んでしまうことをおすすめします。
ステップファザー・ステップ DVD-BOX [DVD]
あり得ない設定ですが、現代の小学生ならこのくらいの対応能力は有るかも知れません。原作が、宮部みゆきさんですから、しっかりしています。上川さんの芝居が良かったですねぇ〜。子役の渋谷兄弟とのやりとりでは、抱腹絶倒させられたり、涙腺緩まされたり…教師役の小西さんも不器用で一本義な感じがしっくりと来てました。もっと遅い放送時間なら、視聴率も取れたのではないでしょうか。渡辺いっけいさんは、捜査1課のキャリア管理官よりこっち(所轄の天然刑事)の方が合ってますね。