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オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン [DVD]
昨年、この映画(短期間しか上映してなかった)を家族で観に行きました。ロンドンでの記念公演で期待通りに観終わったあとは家族全員が興奮状態だったので、DVDが発売されたら絶対に買おうねと話していたら、予想よりも早く発売されたので、速攻買いです。
Greatest Hits
ようやく二作目のグレイテストヒッツをリリースしてくれました。
新曲のLight houseのソングライターを見て驚いたのは、Take ThatのGaryの名が印されていた事。
Westlifeがデビューした時には解散し、年月を経ての再結成、更にロビーを迎えての完全復活を遂げたTake Thatと、
その間ブライアンの脱退を挟みながらも変わらず活動を続けてきたWestlifeがこうして交わる瞬間を目の当たりにできて、本当に幸せです。
飾らない、素朴で、暖かい、そんな音楽をずっと届けてくれるWestlifeには感謝でいっぱいです。
動画サイトで視聴できる、Light houseのPVで感じたのは、メンバーそれぞれの顔のシワ、
そのシワに刻まれた逞しさと歴史に、背筋がシャンとします。
私はこれからも、彼等と歳をとって生きていける事を誇りに思います。
さや侍 [DVD]
松本人志の映画を語る時、感情だけでおもしろい、おもしろくないと語ってしまうと
映画には一過言あるシネフィルの方々からおしかりを受けてしまいます。
いわゆる松本は基本がなっていない。もしくは映画になっていない。さらに教養がない松本に映画は無理だなどと言う声までも。
松本人志の映画を褒めようものなら、映画というものがわかってない素人の戯れ言という言葉まで聞こえてきます。うーん。
で、結論として「さや侍」。またしても傑作です。ごめんなさい。
というのも前回の「しんぼる」にいたく感銘を受けてしまった自分はその年の邦画ベスト1に
ディアドクターや愛のむき出しを押さえて選んでしまってるからです。
しんぼるのレビューの時も感情論でなくできるだけ映画を分析する形の感想を提示させていただきましたので
さや侍のどこがすぐれているのかを語らせていただきたいと思います。
まずはテクニカルな面から。
今回、初めて撮影に近藤龍人を起用しました。結果からいうと大成功ですね。冒頭の追われて走るシーンと
最後のたえが呆然と歩いているシーン。美しいです。
彼は海炭市叙景やマイバックページのような湿度のある重厚な絵も撮れる力量もあるんですけど
この映画ではすごく渇いた明るい絵を提示してます。これは松本人志がTV畑出身というのも大きいと思います。
映画作家、特に日本の映画作家でこれだけ湿度のない、渇いた、さらにポップな絵を撮れる映画作家はいませんね。
なぜならば人物やその性格や心情まで裏取り込んで画面に投影することがデフォルトだと考えている人が多いからです。
松本人志が作り出す画面にそんなものはありません。というより本人はそんなものは全く興味ないと思います。
松本人志が重要視しているのはその人物が置かれているシュチュエーションです。
そしてそのシュチュエーションにふさわしいアイコンともいえるもの。その配置。
他のものはいさぎいいぐらいに切り捨てています。これはまさしくTV的ですしほかの映画作家は持ち得ないものです。
この映画でいうと國村準演じる殿様が野見の芸を見ながら食べるカラフルな金平糖です。まさに無機質な砂漠(城内)に咲いた花のごとく。
冒頭から出てくる野見を狙った殺し屋3人組はあくまで町人を代表するポップなアイコンという役割です。
カラフルな着物が色を添えています。
野見とたえがアイデアを練る納屋での二人の位置関係。絶妙です。
たえとの距離感。デスコミュニケーションを仕切りをはさんだ上と下という人物の配置で表しています。
続いて人物描写について。
野見が刀を捨てたのは女房を亡くした悲しみと自分へのふがいなさだというのは見て取れますが、最後まで野見は受け身です。
門番の二人やたえに言われるがままに笑わせる芸を披露していくのですがあまりにも不器用なその振る舞いと一生懸命さに心を打たれてしまうのです。
たしかに人を笑わせる芸とは言えないかも知れない。でも実直で不器用で自分の気持ちもはっきり言えない
ダメ親父でダメな侍が見せた必死の思いはたえにも伝わっていきます。
外に出て大掛かりなセットで町の人々の前で芸を披露するくだりがとても好きですね。大砲。花火。風車。
これもポップなアイコンとして印象に残ります。
最後に野見とたえに急展開がおとずれるのですが
正直言ってはずかしながら号泣でしたね。
これはまんまと松本人志の術中にはまったとも言えますが、やはり野見とたえの立ち位置とお互いを思いやる気持ちの変化。
妻への思いと喪失感から娘を思う気持ちへとシフトした父親としての思い。
そして竹原ピストルの歌へと。
松本人志は大日本人もしんぼるもさや侍もテーマは全くぶれてなくてむしろ自分は頑なまでにコンセプチャルな作家だと思っています。
世の中から疎外されたりはみだしてしまってる滑稽で憎めない人物を外側から笑いながら見つめながらもも愛おしく思う気持ち。
松本と今回起用された野見さんとのつながりがまさしくそれをあらわしていますよね。
自分はそれほど熱心に松本人志のコントを見てた人間ではないんですけど
松本人志の映画はすごく心に残るしおもしろいんですよ。ビジュアルの提示の仕方。人との距離の取り方。渇き方。
本当に他にはいない映像作家だと本気で思っています。
ということでしんぼるにひき続き、さや侍を今年の邦画ベストワンに押したいと思います。
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