自衛隊が除染作業公開=警戒区域の浪江、富岡町役場-福島
自衛隊が除染作業公開=警戒区域の浪江、富岡町役場-福島
東京電力福島第1原発事故を受けた警戒区域と計画的避難区域のうち、福島県浪江町などの役場庁舎で進められている陸上自衛隊の除染作業が8日、報道陣に公開された。 浪江町役場は、第1原発から約8キロ北の場所にある。時折小雨が降る中、白い防護服に身を包んだ約150人の陸自隊員が人海戦術で除染作業に当たった。 隊員たちは、側溝の中にたまった泥や落ち葉をスコップや竹ぼうきなどでかき集め、手作業で土のう袋に詰めたり、放射性物質が付きやすい植え込みの枝葉をチェーンソーで切り落としたりした。 第1原発から南に9キロ離れた富岡町役場では、約300人の隊員が参加。敷地内では重機3台とスコップを使って中庭の芝を約5センチの厚さで剥がしていた。作業前の平均放射線量(高さ1メートル)は最大で12.2マイクロシーベルト。芝を剥がすことにより、作業2日目で放射性物質の量は3分の1程度に減ったという。 浪江町と飯舘村で作業を指揮する陸自第44普通科連隊の森脇良尚連隊長(46)は「地域の皆さんが一日も早く帰って来られるよう全力を尽くす」と話した。 陸自の除染活動は、来年1月から始まる国の本格的な除染で、役場庁舎を作業の拠点として確保するのが目的。要請のあった浪江、富岡、楢葉の3町と飯舘村で7日から作業を始めた。今後2週間をかけ、900人態勢で除染に当たる。