ブロンコ・ビリー [DVD]
この映画、いいなぁ。場末のドサ周りに落ちぶれても、夢と、希望と、紳士の心を失わない、愛すべきブロンコ・ビリー(クリント・イーストウッド)。たった3ドルの両替のために銀行に入るとき、出てきたオバハンに敬礼してレディ・ファーストだし、そんなビリーに惹かれてくじゃじゃ馬娘(熟女?)のミス・アントワネット(ソンドラ・ロック)に対してネイティブアメリカンの古参おばさん団員(シエラ・ペチャー)が味のある一言。「アパッチではそれを愛っていうのよ、自分から逃げないで」。今日びだと「先住民」といわなきゃならないところを、インディアンって言ってるのもいいなぁ。ラストでミス・アントワネットが茶目っけな笑顔で登場したときの、一座みんなの驚きと、ドク(スキャットマン・クロザース)の、真っ白い歯並びをもろ出しにした最高に嬉しそうなあの笑顔。あの顔だけでこっちも嬉しくなっちゃう。いいなぁ。
こういう、一途な男と勝ち気な女性がくっついてめでたしめでたしっていうのは、古きよきアメリカ映画の伝統ですよね。映画マニアは評価しないだろうけど、これが映画の王道ってもんでしょう。私は、ブロンコ・ビリーとワイルド・ウエスト・ショーのみんなを愛します。
ブロンコ・ビリー [DVD]
結構、面白い作品だったんだなぁ、と今更ながらに感じています。
初めて観た当時はEastwoodと言えば、アクションスターのイメージが強かった(特にHarry刑事役が強烈すぎた)ので、こういったほのぼのとしたLove-Comedyっぽい作品は私にとって余り、馴染まなかったのが本音です。
しかし、それから25年ほどたち、私もオッサンとなった、今、このような作品のEastwoodもとても魅力的であり、更に驚きなのが、当時、何処が良いのかさっぱりわからなかったソンドラ・ロックまでがマシに見えてしまうのだか
ら人間って年取ると映画を見る目も変わってしまうんだなとつくづく感じました。
とりあえず、最近のEastwoodの主演作・監督作にはどうにも付いていけない方にお薦めします。