日活100周年邦画クラシック GREAT20 愛と死をみつめて HDリマスター版 [DVD]
昔1度見たときに、すごく切なくて号泣してしまいました。
なので購入今までしませんでしたが、リマスター版なので
悩んだ末に購入。みなさんも号泣して下さい(笑)
東京物語 [DVD]
久しぶりに観直してみました。
騒々しい最近の映画にも食傷気味な今日この頃、
もう一度、古き良きなつかしい名画座の雰囲気に浸って
幸福な時間に身をゆだねることの大切さを実感。
物語の出来栄え。
独特のセリフ回し。
計算しつくした、こだわりの構図。
余計なものをそぎ落とした人間関係の描き方。
省略の美学。偉大なるマンネリといわれた作風の最高傑作。
変わりゆく、親子関係と、変わりゆく日本。
そして、変わらない故郷と変わらない人間関係。
いたしかたなく、時代変化の中で暮らしてゆく子供たちと
故郷の両親の関係と、戦前と戦後、古き良き日本の心と
壊れてゆく日本人の思いやり。
名優たちの独特の名演と、家族ドラマを通して、家族、兄弟、
親子、親戚、同郷の心の交流。
いつ見ても、心にずっしりとくる永遠の秀作。
日本人は昔より今が本当に幸福になったのか?根源的な
問いを思いながら、希薄になった家族愛の存在を再確認できる。
小津安二郎先生の思い出 (朝日文庫 り 2-2)
小津映画と言えばこの人ありき・・・というぐらい必ず出演していた笠智衆さん。
彼の生い立ちから始まり、役者としての挫折、それを救った小津先生との出会い、そして別れまで多くが語られている。
当時の映画の撮影秘話など満載でとても楽しい。
いちばん驚いたのは「東京物語」のときの笠智衆さんはまだ49歳だったということだ。
本人はフケ役が多かったと言っているが、昔の役者はずいぶん我慢させられたようである。
また家族との生活、孫との暮らしなどなど写真も掲載されているのが嬉しい。
少しだけ笠智衆さんに近づけたような気がしました。
平成育ちの自分ですが、小津映画はどことなく懐かしい感じがします。
古き良き日本の縮図と言うか・・・私が知らない日本の姿が小津映画にはあるように思う。
そんな小津映画を支えた笠智衆の人生はずっと小津先生と共にあったと言っても過言ではない。
先生への感謝の気持ちも籠めて書かれたこの作品にはどことなく哀愁を感じる。
ぜひ読んでみてください。
山田洋次監督 名作選I [DVD]
先行のレヴュアーの方の文章が、この3本の映画の素晴らしさを言い尽くされており、蛇足かともためらいましたが、この3本にレヴューひとつというのも淋しすぎると思いなおし、投稿することにしました。
まさに、3本とも日本映画の宝です!甲乙つけることもできません。1970年から1975年にかけての日本の姿が、日本人の写し絵が、心の有様が、人々の絆が、愛が、ここにあります。そこから私たちは、どんなに隔たってしまったのでしょうか。ひとびとの暮らしと心をたしかな目で見つめる山田監督と、スタッフ、キャストの皆さん、そして、協力された多くの地元の方々の、まさに愛情と力が結集した、奇跡のような3本です。