恋する惑星
挿入歌『夢中人』で始まりテーマ曲『白昼夢』で終わる。どちらもアジアの歌姫フェイウォンの歌。全体的に伸びやかで明るく、映画の雰囲気がぎゅっと詰まった感じ。クランベリーズのコピーである『夢中人』もオリジナルに比べて明るい色付けでおしゃれなアジアを感じさせてくれます。必聴です。
マイ・ショール ~ベスト・オブ・ラテン
レスリー・チャン主演映画「欲望の翼」にハマッた人はぜひこのCDをGETしましょう。印象的なあの曲、この曲が収録されていて、聞いているだけで60年代香港の若者たち、うだるような暑さの中で回る扇風機と折り重なる情事後の男女、夜道を歩く警官と失恋から立ち直れない女、派手で活気に満ちた夜の女、風に揺れるフィリピンの密林、スポーツカーに叩きつける雨、屋根裏で身支度を整える一癖ありげな男…などが脳裏にくっきりと浮かんできます。ラテンの曲が香港映画にはまる不思議を堪能しませんか?
欲望の翼 [DVD]
香港のウォン・カーウァイという監督が一般に広く知られるようになったのは、本作の次の作品『恋する惑星』からだろう。しかし多くの映画ファンは、『欲望の翼』でその存在に気づいていたはずだ。さらに狭まって香港映画ファンならば、デビュー作『いますぐ抱きしめたい』から注目していたと思うけれど。
カンフー、コメディ、キョンシーみたいなホラー、といったイメージしかなかった香港映画にこんな洒落たものがあるのか、と世間を刮目させたウォン・カーウァイの功績は大きい。もっといえば、日本だけでなくアメリカやヨーロッパなど世界中がアジアに目を向けるきっかけを作ったといえる。韓国の映画がのし上がってくる前のことだ。
90年代はその意味で香港映画のゴールデンエイジだった。得意のアクション分野はもとより、アート系、上質のメロドラマ、お笑い、と百花繚乱だった。その幕開けとなったのが、1990年製作の『欲望の翼』だろう。新しい世界に触れるような思いで、僕は公開当時映画館の暗闇で息をひそめてスクリーンを見つめていた(実際その後どっぷり香港にハマった)。
今回、廉価版のDVDとして再ソフト化されることを、とてもうれしく思う(VHSしか持っていないので…)。マギー・チャンのほつれ毛、レスリー・チャンの猿股姿、そんな「生活感」をここまで恰好よく撮るなんて! としびれた記憶を、もう一度呼び覚ましてみたい。アジアの街のにおい、むせ返るような緑のいきれまで、画面からは伝わってくるに違いない。
欲望の翼 [DVD]
最近のレンタルDVD屋のアジア映画棚の前で溜め息をついてしまう香港映画好きの人、手を挙げて!とかって嫌味を言いたくなる程、韓国作品に押されまくりの香港作品ですが、まだ韓国では、こういう大人っぽくて優雅な恋愛ものが撮られていない事を考えると、香港映画が持つ底力に期待してしまう。韓国映画は嫌いじゃないし、香港映画界自体が、かつての様な力を持ち得ていない事情は承知の上なんだけど。カーウァイもこの頃は良かったなー。てか、カーウァイには好き勝手させないで、具体的に、こんな映画を作れ!て命令する人が必要かも。近年のグダグダぶりが嘘のような、きちんとした脚本だし。この映画では、主役のレスリーを輝かせるべく細心の注意が払われてるだけでなく、出番の短い他の明星達も観客の印象に残るように気を配っている。だけど最近は、トニー・レオンとマギー・チャン以外はどーでもいいっす、て感じだし。本作で、カリーナ・ラウにやられましたよ、私は。ハスッパで海千山千に見える女の一途な純情を、こんなに切実に可愛らしくも大人の色香満点で演じられちゃったら・・・参るわ。最近はチャン・ツィイーがこのてのキャラを独占状態ですが、青いよ、小娘、出直しといで!て、言ってやりたくなりませんか?
2046 [DVD]
この作品が公開さりた時、タイムリーに鑑賞したのですが、ピンとこないどころか、監督の分身的な主人公の男性がとても傲慢で嫌な印象でした。
ウォン・カーウァイ監督がずっと好きだった私としては残念感でいっぱいでした。
それから10年近く経過し、気になっていたし・価格も安くなっていたので購入。
じっくり観てみると以前鑑賞した時とは全然違う印象を受けました。
男は女達に優しく、優しいがゆえにとても残酷です。
女は男を思い涙します。声を殺し、自分の感情を殺し。
映画「黒い十人の女」のトレーラーで「誰にでも優しいって事は、誰にも優しくないのと同じでしょ」という岸田今日子さんの台詞がありましたが、
まさにそれのような気がします。
男は女を愛して共に滅びる事を徹底的に拒絶し、優しさのみを至る所にバラまきます。そして絶対的に孤独です。きっとこれからも永遠に。
私自身それなりの年齢に到達して少しだけ分かった事かもしれません。10年後くらいに再び鑑賞したら
その時はどんな風に感じるか? これもまた楽しみかもしれません。
評価の低かった作品ですが、1回の鑑賞では終わらないであろう、気になる作品のひとつです。