たまりば 2巻 (ビームコミックス)
1巻は美和パイ、2巻はハルオの物語。
若い男性はハルオや小杉にいらつくだけ。
アラサー近い男性や女性なら個性豊かな登場人物達を優しい目線で応援できるのでは。
内容は1巻のゆるさとは違って話しが大きく動き出す。色々と熱い展開もあり。
子供ならではの恋の一途さと、大人ゆえの迷いがぶつかり合う。
いつまでも付かず離れずで緩く続いていくのかと思っていたので嬉しい誤算。
みんなの本気が見られてよかった。
美和パイもハルオも小杉も頑張った。
居心地がいいのでもう少し浸りたい、そんなラストシーンもよかった。
読後感がいい。丸子橋に行きたくなった。
思い出
夢の中のような思い出の世界にトリップした時の、
現実との境がとろけそうになる感じが出ているM-6が
私の中では異常な中毒性を持っています
歌い出しの歌詞がまず素敵
M-1は
私が彼らを知るきっかけになった曲ですが
陳腐な言葉が羅列するラブソングが世の中に溢れる中で
異色を放つ
最高のラブソングだと思います
タヌキでポン! (電撃コミックス)
大学生の女の子のところにやってきた、化けタヌキの女の子。
登場人物は、ほぼこの2人だけです。
舞台も、部屋の外には出ずアパートの中だけ。
そんな限定された条件の中、ほぼ2人だけでのやり取りで成り立っている、実にほのぼのとできるマンガです。
タヌキが、かわいすぎる。
「たまりば」とは全く異なる、しおやてるこの別世界です。
深く考えることなく、楽しめるお話が詰まっています。
たまりば 1巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
常日頃から不満に思うことがある。
少年・少女を問わず漫画やライトノベルにおいて無視される(インビジブルな)キャラクター達の存在だ。彼ら彼女らの多くは魅力的な容姿をもっておらず、性格設定もおざなりだ。そもそもそんなキャラクターは全く登場しない作品も多い。せいぜい主要キャラクター達を描くための道具立てでしかない場合がいかに多いことか!
結局それは読者が求めていることなので漫画家だけを責めても仕方ないのかもしれないが、物語の深みという面では物足りなさを感じることが多かったのも事実だ。
ところが、である。「たまりば(英語タイトルはTama river?)」はよくある少女恋愛漫画なのかと思いきや、キャラクター達の描き方が丁寧で作者の愛を感じる点が素敵だ。一巻ではカナという友人の設定や、乳神様を見守るMNO団のイケてない男子高校生達や、弟のたっくんなど、それぞれの端役にも少しだけ歪な造形を与え、彼らが作品内で生き生きと動くような工夫がなされている。そこにしおやてるこのセンスを感じる。
話の全体像としてはピュアでストレートな美和とちょっとシニカルで変わり者のハルオとの恋模様がメインになるのだろうが、彼らを取り巻くキャラクター達のドラマも今後が楽しみな作品だ。
タヌキたちのびっくり東京生活 ‐都市と野生動物の新しい共存‐ (知りたい!サイエンス 35)
テレビなどで見かけるようにはなったけれど「東京には野生のタヌキが1000ちかく棲んでいる」ことはまだあまり知られていない。そうしたなか「東京のタヌキ」を知るための、現時点での決定版が出た。30分のテレビ番組よりもはるかに情報満載の240ページだ。
著者は東京にタヌキがいるという事実に魅せられ、これまで数年間、タヌキの東京生活を追い求めてきた。過去数年のタヌキ目撃情報を、自分の野外観察、目撃者からのたれこみ、インターネット情報などから、できるかぎり洗っていった。それを集計して、東京の地図に網の目をかけ、タヌキの出没情報の傾向を探り出している。
修正から導きだされる仮説は科学的洞察力が深い。たとえば、タヌキにとって鉄道の路線は森から森へ移動するときの“回廊”の役割を果たしているのでは、という説。タヌキの生態域を「西武線グループ」「京王線グループ」などに区分した地図もつくった。
野外観察や地図づくりからは、私たち人間の都市の作り方も見えてくる。著者は、明治からの140年の東京を「鉄道開発の70年」「自動車の70年」に分け、タヌキの棲み心地がどうだったかを論じる。鉄道の線路はうまく活用できたタヌキも、広い道と車は危険要因にしかならなかった。
著者は次の70年を見据える。それは「人口減少の時代」だという。「そんな時代に突入しつつあるというのに、未だ自然を破壊してまで開発をしようという動きがあるのは、私から見ると非常に不可解なことです」と。この本は、動物の生き方を鏡に、人間の生きる姿を見てみようという提案でもある。