アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]
意外な展開。イタリアロケ。豪華キャスト。サラ・ブライトマンの曲。
盛り沢山のエンタメ映画として、純粋に楽しめました。
ローマで起きた日本人母娘の誘拐事件から始まり、
それを主人公の外交官・黒田(実は警官か何か?)が追いかけるうちに
意外な犯人、動機、国を揺るがす背景が浮かび上がる――
監視カメラの映像、ローマでは雪が降っていた、GPS機能付きの飾り
など、謎が解き明かされていく過程はスリリングで面白かったです。
そこら辺、展開が強引、人物の行動が分からない、実現不可能……などなど
確かに疑問はありますが、それを言ったらミステリーは楽しめないでしょう。
(「24」なんて滅茶苦茶じゃないですか。でも面白い)
ただ、説明不足なところは多々ありますよね。
タイトルのアマルフィって、女神が埋められた街という由来と犯人の動機
(妻を亡くされた)を結びつけていると思うのですが、わかりにくい。
GPSの飾りに犯人はどうして気付いたのか、不可解です。
また、黒田の人物像、母親と犯人の関係はもっと掘り下げてほしかったです。
そうした気になる点を差し引いても、普通に面白いと思います。
「24」のような意外な展開を楽しめる映画です。
g2 ( ジーツー ) 創刊号 vol.1 (講談社MOOK)
立ち読みしながら、矢野絢也さんによる『池田大作と私』の次の文章にひかれて購入をきめました。
”ともすれば、これまで池田氏については、批判的か妄信的かという両極端な視点からしか書かれて来なかったように思う。正確な歴史の記述のためにも、一九五五年に初めて会って以来、約五○年にわたって私が見てきた池田氏の「生(なま)」の人物像を記そう。”
30年近く公明党の中枢にいたかたの真摯な言葉です。また、創価学会から執拗な嫌がらせを受けた著述のあとで、こうも語っています。
”しかし、自分をこのような目に遭わせたのが間違いなく池田氏の意思、命令だと確信していても、彼を心底から恨む気になれない。恨みよりも「あの人らしいな」という気持ちが先に立ってしまうのが本当のところだ”
つづきを読めば、池田大作氏の、清濁併せのむという言葉の範囲にすらおさまらない、実像が浮かび上がってきます。”巨人”という言葉をあてはめても、まだ足りない気がします。また、”恨む気にならない”という言葉からは矢野さんの決意、自分の愛してきた、池田氏と公明党と創価学会への真の決別宣言ととることもできるのではないでしょうか。
矢野さんの文章は淀みなく、簡にして要を得ています。たんたんとした語り口から、リアリティーが作られるのです。
ただ、洗脳が解けたとかマインドコントロールという言葉をご自身にあてはめて使われているのですが、宗教という枠にとらわれず、誰しもが自らのつくったフレームでしかものをみることができません。矢野さんの場合、洗脳というより、あまりに近すぎて見えないものや当たり前すぎて表現がむずかしいことなどが、あるように感じました。
いつか、神でも悪魔でもない人間、池田大作伝がでるとしたら、矢野さんへのインタビューは、必須となるでしょう。
最後にこのMOOKについてですが、月刊現代の後続誌として「もう一度ノンフィクション雑誌をつくろう」と発刊されたとのこと。その心意気や由。
やはり、見たことのないものを見てみたいというやじうま根性と、それの情報を合理性で処理したいという人間の意識があるかぎり、文字によるノンフィクションは続いていくと思います。
ちなみに、巻末の沢木耕太郎さんによる翻訳ノンフィクションも、上上です。
VOL.1とあります。長く続いて欲しい雑誌ができました。
BOSS 2nd SEASON Blu-ray BOX [Blu-ray]
ひとくせあるメンバーが集まった「特別犯罪対策室」が
難事件に対して独特な切り口で解決していくドラマの第2シーズン。
舞台設定や登場人物は基本的に共通で
シーズン1を観ていることを前提として作られているが、
戸田恵梨香が演じる木元は基本的に不在で
同様に吉瀬美智子が演じる奈良橋もいなくなった。
それに代わるように長谷川京子と成海璃子が加わったが
どちらもシーズン1のメンバーに比べるとイマイチ。
ストーリーとしてはエピソードによって出来不出来の差が激しく、
面白いときもあるが、あまりピンと来ないときもある。
全体的に笑いの要素がやや強くなっているが、
それがふざけすぎのようにクドく感じることもある。