太陽にほえろ! 2001 [DVD]
館さんの山岡係長はずっとリアルタイムでみてきましたが、今回に限って言えば、金子さんと大路さんの動きに焦点を当てすぎたという感じでした。 かつて、「太陽」のCPだった方が企画していたのですが、「過去の栄光に拘りすぎて本当の物作りを忘れていた」と著書に記してありますが、確かにそれもあるかも知れませんが、それは、プロデューサーや監督の腕次第だと思います。 また、その方は著書に「太陽」は自分と製作会社側のCPと故人となったチーフライターでできたものと記してありましたが、何か、ドラマを私物化している気もしました。 今は、いろんなシリーズものでも、プロデューサーは交代しているんです。 「太陽」のCPだった方々は原作という型で身を引かれ、新しい方に任せてみたらいかがでしょうか? 基本はそのままにしながらも、それに囚われず新しい要素を取り入れたら、もっといいものが作れるかも知れません。 それに期待することにするという意味をこめて、星も3つにしました。 話をこの作品に戻すが、大路さんが刑事役にはまっていたのは意外でした。 あ、そうそう、勿論、館さんがボスでお願いします。 あと、後年、放送された、西部警察はビデオ撮りだったが、これはフィルムどりだったので、これも高く評価したい。 アクションはフィルムでないと絵になりませんから。
また、これがビデオ撮影だあったら、つまらなくなっていたかも知れません。
今後作るときもそうしてほしいのと、それに高く評価する意味をこめて、さらに星を加え、4つにしました。
PARマンの情熱的な日々 漫画家人生途中下車編
書店でこの本を見かけたので期待せず何気なく買って読んでみたら予想外に面白いので驚きました。
本の内容は藤子不二雄A先生の「日記+エッセイ風のマンガ」がメインで、現在の話だけではなく
いきなり50年前の過去の話が出てきたり題材の選択が自由奔放で読んでいて飽きません。
その合間に漫画家仲間や知り合いの有名人らのメッセージが載っており、あとはゴルフコンペのレポートと
著者の経歴などが掲載されています。
現在76歳ですが、とてもお元気で体力もあり、トキワ荘の漫画家仲間の死や奥さんの半身不随など
辛い出来事も、暗くならずにさらりとマンガの中で触れています。
無理に明るく振る舞っているのではなく、ごく自然に明るく素直なマンガになっているところが
藤子不二雄A先生のお人柄なのかなと思います。
それとは逆に映画「少年時代」の成功や勲章の受章、黒澤明監督と会った話や過去の女性との
ロマンスの数々や豪華客船での船旅、ゴルフの話題など、明るい話題や楽しい話題も多く盛り込まれバランスが取れています。
というように全体的にオモチャ箱をひっくり返したような本で、藤子不二雄A先生に関心のある方なら楽しめる本ではないかと思います。
ぱんぷくりん (PHP文芸文庫)
黒鉄さんの絵と宮部さんの文章がとてもマッチしています。
大人に向けた絵本のようでもあるけど、
子どもと一緒に楽しむことも出来ると思います。
すぐに読み終わってしまうけど
読むというよりはじっくり眺めて楽しむ本かな。
千思万考
たまたまあるテレビ番組で黒鉄ヒロシ氏が織田信長について「彼(信長)がやったことに悪いことは一つもない。実はいいことばかりで、まさに時代のパイオニアだったのです」(確かこのようなコメントだったと記憶する)というのを聞いて驚愕した。
それ以後時々その番組を観るようになったが、纏まった本になってほしいと願っていたところであった。すでに2回ほど読んだが、黒鉄氏の該博な見識と斬新な切り口に敬服する次第。
この本の解説に「現代を生きるためのヒント」と書かれているが、もっと深い形而上の命題として「生きる」ヒントかもしれない。世の中、あるいは人生の「不条理」を噛みしめて生きる覚悟を示してくれる。座右の書にするつもりである。
麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)
麻雀放浪記を何回読みなおしたことでしょう。麻雀小説という範疇に収まらない痛快なエンターテイメント小説ですし、まるで自分が牌を手に取っているかのような臨場感に包まれる名作です。色川武大として1978年に『離婚』で直木賞を取りましたが、本作の作者・阿佐田哲也として受賞してもらいたかったと今でも思っています。
1970年前後に巻き起こった麻雀ブームの火付け役はまさしく『麻雀放浪記 青春編』の登場と共に起こりました。盛り場には雀荘があふれ、4人寄れば卓を囲む、という庶民の娯楽でした。書店には多くの麻雀関係の書籍が並んでいた頃です。
『麻雀放浪記』は最初、双葉書店から新書で発行されました。牌の並びが活字の中に取り入れられたのも新鮮でしたし、「大四喜十枚爆弾」や「2の2の天和」といった積み込み技の図解入りの解説にも驚かされました。
冒頭の終戦直後の闇市でのチンチロリンの情景からしてひきこまれます。登場する作者の分身のような坊や哲を始め、ドサ健、出目徳、上州虎という魅力的な登場人物の描きわけも巧みで、まさしくそこで息をしているかのような近さを覚えたものでした。女衒の達によるしのぎのシーンも戦後の混乱期を彷彿とさせます。「女衒」という言葉も今や死語となりましたが。
ラストの死闘は壮絶で、読みながら手に汗握る感覚を覚えます。ページをめくるのも、もどかしくなるぐらい入り込める小説とはめったに巡り会えません。ピカレスクロマンと言われていますが、これほど戦後の空気感を切り取った小説はまずないですね。
麻雀を知らなくても面白いですし、実際打っていればなおのことその魅力に引き込まれます。初出から40年経過しましたが、今読んでも熱中できるという希有な作品です。