スティーブン・キング キャッツ・アイ [ユニバーサル・セレクション] (初回生産限定) [DVD]
いかにもキングの短編らしい作品3つを、一匹の猫の絡めながら話を紡いでいくオムニバス映画。これといって凄い点もなく、これといって悪い点もなく、まずまず楽しめる映画だと思います。きっと、自分が小学生の頃だったら、夢中になって見てた気がする。
音楽に使われているシンセの曲がキース・エマーソンみたいで、僕のプログレ魂を擽った。こないだ観た「エルム街の悪夢」の音楽もエマーソンっぽかった。というより、80年代はこんな感じのシンセ音楽が流行っていただけかも(笑)。
マクミラン英英辞典(コンパクト版)
巷では日産のニューマーチ誕生でヴィッツ、フィットと三つ巴の闘いが始まりました。それと同じことが「学習英英辞典」の世界でもまさに起こらんとしています。
まずはオクスフォード現代英英、それからロングマンがデビューしてしのぎをけずってきました。そして両者がお互いに切磋琢磨して改訂を繰り返し、より良い辞書に脱皮を続け英学徒を喜ばせてきました。そこに今回は同種のタイプとしてこのマクミランが参入しました。
シェアを2分する勢いの両者に割って入ろうとするだけあり、とても満足できる辞書です。先行組2者との大きな違いは、英和辞典でも採用しているものがいくつかありますが「主な語義をまとめて一番最初に並べてしまう。用例、例文などは後からゆっくり調べる」という点です。前2者もその語義の部分に概念説明を配置したりしてわかりやすくはなっているので、こうなるとまさに好みの問題です。
語義説明ですが、ロングマンと実際に単語を比較したところ、ほんの若干ですがマクミランの方が「奥行きが深い」説明です。しかしこれとて簡潔なロングマンがお好きな方もいらっしゃるでしょう。(私は個人的にはマクミランの方がよりわかりやすく理解が深まりました)
2色刷ですが、前2者は斬新な青を、マクミランは辞書の定番赤を使っておりここも好みが分かれます。(私は青が好きですが)
ただここで苦言を呈しますと「箱」はいただけません。辞書を取り出すためか、切り込みを表裏と入れてありますが、辞書を収納する時にこの切り込みに辞書がひっかかり非常に入れづらい上に辞書を破損します。だいいち辞書をこの小さな切り込みから指で取り出すことは物理的にも無理のようです。辞書は逆さに箱から振り落とすようにして出す人が多いのではないでしょうか。辞書の内容がすばらしいだけにとても残念です。(以前、ある社のインドネシア語辞典がこうでした。辞書を箱に戻すたびに難儀したものです)
またコンパクト版とペーパー(若干大型版)がありますが、私はコンパクト版をお薦めします。ペーパー版は名の通り表紙が紙ですので耐久性に問題があります。コンパクト版は持ちやすくビニール装で酷使に耐えます。値段は両方とも同じですので、これまたお好みでどうぞ(ただし私のように老眼ぎみの人にはペーパー版の方が字がほんの少し大きいようですので楽かもしれません。それで私はコンパクトを買いました)。
最後にこの3つともCD-ROMがついていることも魅力です。30年前は学習英英辞典の選択肢はないに等しい時代でした。今では電子辞書までついてこの価格で手に入るなどまさに隔世の感があります。いい時代になりました。
スティーブン・キング キャッツ・アイ (ユニバーサル・セレクション2008年第6弾) 【初回生産限定】 [DVD]
禁煙する男、高層ビルの周りを一周する男、
少女の部屋に現れる謎のゴブリンの物語。
ネコちゃんは可愛いし、3つの短編を楽しめる
オムニバスで、のんびりと楽しみました。
この映画の安っぽいB級っぽさがいいの。
次はどうなるんだろうとドキドキしましたよ〜。
小っちゃなドリュー・バリモアも可愛かった!
ポリスの「見つめていたい」も懐かしかったです。
英詩訳・百人一首香り立つやまとごころ (集英社新書 485F)
五・七・五・七・七のたった31音の定型詩、和歌。短音節語彙の豊かさという日本語の特徴と掛言葉などの修辞技巧をフル活用することで字義どおり以外の解釈(double meaning)を可能にするとともに、音韻と余韻を味わうことが出来る究極の詩(うた)。和歌は日本語でしか味わえない部分があり、翻訳には限界があります。(この辺りの翻訳の苦労話は"日本語版のための序論"で詳説されています)しかし、本著者は和歌に込められた意味を汲み取って、定型に捉われず、しかし英詩として端的かつ平易に表現することに成功しています。
例えば「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」(小野小町)は次のような抒情詩として生まれ変わっています。
A life in vain.
My looks, talents faded
like these cherry blossoms
paling in the endless rains
that I gaze out upon, alone.
(この"...upon, alone"が醸し出す余韻が なんとも心地良いです)
また日本語特有の音韻の面白さは表記法の工夫で醸し出そうというアプローチも面白いです。(「足引の山鳥の尾の...」(柿本人麻呂)の"長々しさ"を印刷のレイアウトで表現) また「...逢坂の関」(蝉丸)の訳も表記法と押韻の工夫で実際に人が行き来する躍動感が表現されています。こうして英語を通して和歌を愉しみ、日本の詩歌の美しさ・面白さを再発見できます。まさに「温故知新」の一冊です。
本編で日本語・英語の語彙解説などは殆どないため、"万人向けでない"という意味で★4つに止めましたが、個人的には★5つです。(なお原著はこちらです)