決断 河野父子の生体肝移植
洋平氏はインターフェロンの治療が失敗し、がっくりと全身の力が抜けた。・・太郎氏から生体肝移植を提案されたときの洋平氏「息子をリスクにさらし、その結果、自分がただ生きているなんて、価値がないだろう。・・・俺の肝臓がだめになって死ぬのなら、それは俺の寿命なんだ。・・健康な息子の腹を割いてまで寿命を延ばすつもりはない」
信州大の橋倉先生から、移植手術のすすめのための説明があった。「内科的治療では死亡の危険が高い。・・肝移植は終末的な状況に対する唯一の治療法」
こうして、洋平氏は移植を受ける決心をしたという。病気と戦うプロセスと決断、これが大事だと認識された。病気を理由にして解雇されたなど、社会には移植医療への無理解がある。政治家としての活動も考えただろう。
太郎氏は09年度移植法改正のときに活躍された。太郎氏がポイントにしたかったのは、生前の意思表示がなかったとき(あれば生かされるのはもちろん)、遺族がその意思をおもい、臓器提供もできること。遺族が一番思いに従った判断ができるだろう。意思表示が必須ではなく、遺言制度にならって臓器提供できなかった15歳以下の提供が行われるようになり、子どもの臓器をのぞむ家族に道を開く。
未来問題解決プログラムのトピック学習「臓器移植」の優良なリーディングスとさせてもらっている。
薬害C型肝炎 女たちの闘い―国が屈服した日 (小学館文庫)
この本を読んでみて、いかにこの「薬害C型肝炎」の問題を知った積もりになっていたかを思い知りました。
それなりに関心を持って、この問題の報道に注意していた積もりだったのですが、第5章もほとんど知らず、知っていたのは最後の第6章の部分だけでした。
結局は、「418人リスト」が出て、世論が大騒ぎを始めてからでした。
従って、ここに登場する原告の人たちが、5年間と言う長い間、「命」を担保として戦い続けた苦しみは全く知らなかったということです。
それでなくとも医療関係の訴訟は難しく、なかなかその責任を追及する手だてがありません。
今回は、それに加えて「官僚の壁」です。
ここに立ちあがった女性たちの強さをしみじみ感じました。
この本を読んでいる間にどれだけ涙を流したでしょう。
書かれている文章自体は、決して上手いとは思いません。
しかし、そこには「真実」の持つ強みがあります。
そうした彼女たちの苦しみに裏打ちされた強い思いが、世論を、国を動かしたのでしょう。
それにしても、官僚の怠慢にはほとほと嫌気が差します。
それに、与党の「族議員」にも。
何回、同じ事を繰り返せばいいのでしょう。
いつになったら、本当の意味の官僚制度の弊害を無くす「改革」が行われるのでしょうか。
B型肝炎・C型肝炎から肝硬変への進行を防ぐには
医療費の公的補助が始まった、’09時点の最新治療について解説。
また、具体的な臨床試験結果までは載っていないが、冬虫夏草配合「複合菌糸体発酵末」服用で自己免疫作用の向上による、B,C型肝炎の治療効果を高めたり、副作用が軽くなる等の解説がなされており、また、他の病気にも効果があると解説されている。
「複合菌糸体発酵末」の入手についての具体的な紹介は無く、問合せ先の記載もないので、別途、検索が必要。
承文堂出版の前身である、彩土出版が出版した『B型肝炎・C型肝炎 を治す完全ガイド』と内容が全く同じなので、上述の書籍をお持ちの方は、購入してもムダですよん。(公的補助のことが少し追加されたりしているだけ)