深い川~黒人霊歌集
最初の第一声から、魂が震えます。小手先だけのテクニックではない何か、それはシャンティクリアの「神への信仰」だと思います。さすが声のオーケストラ、シャンクティクリアの素晴らしい演奏の一枚。表題の「深い河」何度繰り返しても魂がふるえ、涙が止まりません。それでこの廉価。クリスチャンの方、宗教曲が好きな方、ニグロスピリチュアルが好きな方、アカペラが好きな方にお勧めいたします。買って絶対損しない一枚です。私の行っている教会で牧師さんにこのCDをお聞かせしたら、牧師先生が大ファンになってしまいました。というわけで・・私のシャンティクリアのCDは今全部教会にあって(^。^;)教会の方々に聞いていただいております。
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
日航機事故という史上最大の航空機事故とその周辺を知りたいと思ったのが、この本を手にしたきっかけでした。(事故当時、僕は小学校低学年でした)
不遇の主人公、恩地元がアフリカの大地の中で不条理と戦い、また、その中で御巣鷹山での事故が起こる。御巣鷹山事故のことを当初最も読みたかったので、第一巻「アフリカ篇」は正直いって一体どんな話なの??と。しかし、この小説がこのようなベストセラーとなったのは、1巻から5巻まで通じている雄大なアフリカの大地が支えていると感じました。
この小説は、事実を小説として再構築した作品、でありますから、はっきりノンフィクションというわけではないし、事実に反する部分に対し、多くの反論や疑問の声もあるようです。しかし、この小説の中には事実を元にした多くの人間界の真実が織り交ぜられているように感じます。生々しい御巣鷹山の悲劇と残された遺族の闘いは、涙なしには読めませんが、その周辺の様々な人間模様、企業の中の権謀術策、どれもこれも含めて、人間の中身を強くえぐり出すものです。事実と小説的再構築のはざまの中で、決して嘘をつかない存在としてアフリカの大地が横たわっています。素晴らしいアフリカの描写の数々がなければ、この本がこのようなベストセラーになったでしょうか?
恩地元がブロンクスの動物園を訪れるシーンが印象的でした。全篇にわたってすばらしい小説であり、星5つの評価としたいところですが、事実をもとにしたこの小説において事実と違う部分が存在することが指摘されており、その部分を考慮して星4つとします。しかし、人間の真実を描く、といった点において、このようなことはこの小説の価値を下げるものではないと感じます。
ヴィクトリア 太陽の沈まない帝国 完全日本語版 価格改定版
このソフトは1836年から世界中の国でプレイできます。国威、軍事力、工業力の合計値で1920年を迎えた時点で一位になればプレイヤーの勝利です。このゲームは自由度も高いです。例えばアメリカ合衆国でのプレイ次第では南北戦争が発生せずに奴隷制を存続する事もできます。また、このゲームは近代国家には必要な資源である、鉄、硫黄、石炭などの確保が重要です。国民には生活必需品の供給を絶やさずに医療福祉を充実させれば移民となって自国に多くの労働力が渡ってきます。また、税金の設定で高税率にすると自国民が移民となって国を出ていってしまいます。国家政策もプレイヤーが介入できます。保護貿易にするか、自由貿易にするかなどです。ちゃんと外交政策ができます。軍事力の強化や将軍の任命、国内の近代化の産業基盤作り、鉄道の敷設、貿易、技術の研究など様々な事をしなければなりません。この安さでこの内容なら即買いの一品です。ですが、やたら重いです256MBのメモリーでやっと動いてる感じなので512MBあれば快適に動きます。
世界一空が美しい大陸 南極の図鑑
私は南極越冬の経験者で、昭和基地の空を眺めていた者ですが、2章の朝焼け、夕焼けの美しさは、まさに現地で堪能してきたものです。一方、8章のグリーンフラッシュは越冬してもそう何度も見られるものではありません(私は一度だけそれらしいものを見ました)。これだけの写真を撮るには、出現しそうな現象を予測する知識と、いつでも撮影できる準備が必要です。さらに、観測隊員としての仕事は別にあるわけですから、こうした撮影を一年余り続ける根気には敬服します。
これまでに数々の空と雲の写真集を出し、2007年度には「写真を利用した気象教育と気象普及活動」で日本気象学会奨励賞を受賞している著者が越冬すると聞いて、行くべき人が行くのだなあと期待していたのですが、この本は極上の”お土産”といえるでしょう。
ひとつだけ注文があるとすれば、もうちょっと高くなってもいいから、大きな写真を載せた「愛蔵版」がほしいなあ。このご時勢では難しいでしょうけれども。
太陽は沈まない(1) [VHS]
ふざけた所がなく、全体的にていねいに描かれていてとてもよかった。
医療ミスの発覚の仕方、そして訴訟への道のりは無駄なく進んでいくし、バックの役者も大杉蓮、京本政樹、尾藤イサオなど安定感がある。
準主演の松雪泰子も「きらきらひかる」とは違ったクールながらも熱情的な役をうまくこなしている。しかし、吸ってるタバコがショートホープとは、かなりのヘビースモーカーかもしれない。
音楽は吉俣良。「きらきらひかる」にも通ずるテンションを持った曲と心に訴えかける音楽にまたしてもやられたって感じ。