ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 (映画秘宝COLLECTION (20))
この2人の著書は良く読ませて頂いているが…
天下無敵の駄目映画を自分の中で
「もう1回観てみよう」
と思わせる、視点の提示にはいつも感心させられる。
例えば、「某五つのえれめんと」なんか、金返せと
スクリーンに、大声で喚きたくなった映画の一つだが
2人のネジくれた映画評を見ると、無知で無学な自分
が悪いんだと、勘違いさせてくれるから不思議だ。
まだまだ、自分には映画への博愛の精神が足りないと
思っている人には、ぜひ一読する事をお勧めする。
普通に映画が観たい人には、悪書以外の何物でも無い。
バーホーベン マンセー
ストレイトストーリー [DVD]
映画が映画である理由を時々考える。TVで流されるドラマとの違いを。どうして、この物語はドラマではなく、劇場で公開される映画になったのかと。
この作品は間違いなく映画で公開されるべき物語である。だが、その理由をうまくは説明することができない。豪勢でお涙頂戴のハリウッド映画でもなく、小難しいフランスの作品や、演出と俳優の力量が欠如した日本映画とも違う。
淡々と語られる物語である。説教めいてもなく、ただ淡々と。
この映画の感動を今、僕は味わっている。観終った時よりも大きな感動が、徐々にこみ上げてくる。
そんな映画です。
ストレイト・ストーリー [DVD]
今まで観たデヴィッドリンチの作品の中で一番よかった映画でした。とてもシンプルな展開で夜遅くみたので最初の方は少し眠たくなったのですが、兄に会いに行く道程で出会う人々との会話の中でアルヴィンの人生に触れるにつれていつのまにか惹きつけられていました。再会のシーンもいつの間にか涙が流れていました。
こんな分野も撮れたんだと驚かされ、さらにデヴィッドリンチのスケールの大きさを知らされた映画でした。
the straight story ストレイト・ストーリー
主人公のおじさんが、たった最高時速8kmのトラクターで旅に出る話。
遠く離れずいぶん前から逢っていない兄に会うために・・・
頑固で口数も多くない主人公が年老いた体の至る所にがたが来て、おもちゃのマジックハンドようなものを使いトラクターでなんとか旅にでる。物語は淡々として短く、静かに進む物語だがあきさせない何かがある。いくつかの出逢いが主人公の人間味を上手く表現している。僕が主人公のおじさんになるまでまだずいぶん時間があるが、この年老いた頑固者はかっこよく、その胸の内を覗きたくなる。