「2001年宇宙の旅」オリジナル・サウンドトラック
スヌーザーの【The Essential Disc Guide 2004 あなたのライフを変えるかもしれない300枚のレコード】で紹介されている作品(ディスクNo.019)。
“ツァラトゥストラはかく語りき”“美しく青きドナウ”を聴きたいがために購入したのですが、
この作品の本当の魅力はそれらじゃありませんでした。
このディスクのメインは現代音楽作曲家『リゲティ』の一連の作品です。
映画の中のモノリス登場や進化を促進するワープを体験するなどといったシーンで、
人間によって作られたとは思えないような超然とした不気味さ、
触れてはいけないものに触れてしまうような恐ろしさ、
しかし、前に進まずにはいられない好奇心、
人間が今まで到達したことのない高み、
次元を超えた知的生命の存在をほのめかす、
といったものをリゲティの楽曲は完全に表現しきれています。
最初は怖くて仕方のない音楽だったのですが、
慣れてくると延々と聴いていたくなるのが不思議です。
『2001年 宇宙の旅』を歴史に残る映画にしたのは、リゲティの功績もかなり大きいはず。
1/55 THE MOON BUS
発売と同時に買ってから、まだ組み立てることなく、時折箱を開けてパーツを眺めています。キャラクター・エイジ VOL.05 (学研ムック)には、徹底的に改修した作例が載っていますが、そこまでの技術はないし、たぶんストレートに組むと思います。でも、もったいなくて、まだ真っ白なパーツを眺めてにやにやしています。眺めているだけで幸せな気分になります。本当です。
高くて買えなかったオーロラ社の伝説のキット(オタキング岡田さんの岡田斗司夫の絶滅プラモ大百科―失われたプラモワールド (グリーンアロー・グラフィティ)では15万円の価格でした!)へのメビウス社からのオマージュ商品。新金型のインジェクションキットです。本当にうれしい!!
キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」を観て世界観が変わった人、60年代の海外SFに夢中だった方、(元)プラモ少年(それは、すべて私に当てはまりますが・・・)、そしてメビウス社を応援している方、ぜひ、買ってほしいなあと思っています。少し高価ですが、大推薦します。中身を写して「イメージ」に載せます。観てくださいね。
未来映画術「2001年宇宙の旅」
私はこの和書が出る1、2年前に原書を購入していましたが、残念ながら図版のトリミングが良くなくなった部分もあって少し残念でした。
日本語で読めたのはうれしい限りでしたけど。
ワルキューレの騎行(地獄の黙示録)~映画のなかのクラシック
「ワルキューレの騎行」を聴きたくて購入しました。
ワーグナー好きなんですが、お店にあんまり置いてないんですよ。癒しクラシック全盛のせいでしょうか?
どれも耳慣れたクラシックだけあって、じっくり浸るにふさわしい!
作曲者が自分の気持ちを前面に出てて、わかり易いのです。
これを聴きながら作業をすると、地の底から何かが湧いてきて元気が出るのですが…私だけ?
岩山を登っていくイメージをお探しの方はどうぞ(^o^)丿
〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)
シリーズ前作と同様、著者は本書でも「はじめに」で、率直に執筆意図を明かしています。私など、まったく申告通りの本だなァと思うのですが、あんまりアカラサマなんで、多くの人は気に留めないで通り過ぎてしまう様子です。
前作では60年代末に登場した「ニューシネマ」の諸作品がハリウッドの旧体制に風穴を開ける場面から、『ロッキー』(76)により再びその穴が閉じられ、ファンタジーに回帰するまでの歴史が辿られました。本書ではその後の80年代、コングロマリットの傘下に取り込まれたハリウッドで、映画がマーケティングに基づいて背広族が企画する単なる「製品」になってしまった時代が対象です。
ただし取り上げられるのは、そうした時代における「映画作家」、つまりアウトサイダーたちです。だから「カルト・ムービー篇」なんですね。
ただし、確かに80年代の「映画作家」は70年代とは異なります。70年代の監督たちが旧体制に対する批判者、反抗者として自己を確立していったのに対し、本書に登場する「映画作家」たちはもっとずっと自分自身に忠実です。小難しく言うと、否定から肯定に転じている。モダンからポストモダンに移行したワケですね。
タイトルから明白なように、本書では『ブレードランナー』は格別の扱いを受けています。私なりの解釈ですが、それは本書で取り上げられた他の作品群が「無意識的に」ポストモダンであるのに比して、『ブレードランナー』がポストモダンを表象しようとしているから、ではないでしょうか?
次回作は「ブロックバスター篇」だそうです。期待してます。