シンプルに片づけて毎日スッキリ心地よく暮らす
確かにわかりやすく書いてあります 金子由紀子さんワールドです わたしはむしろ「持たない生活」の方が好きです 何だか物足りない感が有り★三つにさせて頂きました
早く家(うち)へ帰りたい
私の大好きな詩人さん、高階杞一さんの1995年の作品。
内容はというと、1994年に3歳で亡くなってしまった、高階さんの息子さんに捧げた作品の数々をまとめたもの。
こんなに言葉の奥にあるものが見えてくる詩集は読んだ事がありません・・・。
詩集のコンセプト自体が、亡くなった息子さんに捧げるというものなので、うがった見方をすれば、よくありがちで、お涙頂戴の本とも取られてしまうのかも知れませんが、決してそんなことはなく、当然一つの詩集として成立していて、素晴らしい詩集だと私は思っています。
特に、詩集のタイトルにもなっている「早く家へ帰りたい」と言う作品は、はじめて読んだ時に鳥肌が立ったのを覚えています。
ズーンと心の一番奥まで届いて、試作品の舞台まで、引っ張ってこられてしまうようでした。
雑誌「詩学」の高階杞一特集で、編集の寺西さんのコメントに詩をほとんど読んだ事がない人に、何を読めばよいかと聞かれた場合に、薦めるいくつかの詩集の中にこの「早く家へ帰りたい」は必ず入れる。というような話があったが、私もそのとおりだと思います。
その話の中で、人が詩を読むとき、または映画を見るとき、音楽を聴くとき、その目的は、その音楽や、映画や詩作品から「何か」を受取りたいからではないか?この詩集にはその「何か」がまちがいなくある。という話もあり、実際読んでみて、ますます納得です。
また、この詩集を読んで思ったのは、詩を書くという行為、または詩人という人種(それが存在するなら)の残酷さというか、悲しさというか、強さというか・・、表現するのは難しいのですが、そういったものを感じました。
高階さんの詩集では、「キリンの洗濯」という詩集もあるので、そちらとあわせて読むことをお勧めします。「キリンの洗濯」はユーモアたっぷりで、どこかほろ苦い悲しみに包まれています。