グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち [DVD]
アメリカの素晴らしさは、マット・ディモンのような才能が、いろんなジャンルで突然飛び出してくることです。もちろん、競争は激しいでしょうが、優れたものにはつねに門戸が開かれている。ところで、この映画、まず脚本がいいですね。若い二人のオリジナル脚本というのだから驚いてしまいます。プロットはよくある類型のひとつかもしれません。スラムに生まれ育ったが数学に天才的な能力をもつ青年、自分でもその能力に気づいていながら、表に出られない。仲間と一緒にいたい。複雑で繊細なこの青年の心のもつれをロビン・ウイリアムズ演ずる心理学者が徐々にその気持ちを解きほぐしていく。ロビン・ウイリアムズという俳優はほんとうにうまい役者です。シリアスな役柄もコミカルなものもなんでもこなす。でも、時々やり過ぎと感じることがありますが、この映画では極めて抑制的に演技しています。また、それがこの不遇な学者のキャラクターをよく表している。自分の可能性にフタをしていた青年は、ようやく自覚し、自律的に生きていこうとする。惚れていたのに、自ら身を引き、カリフォルニアにいる女性のあとを追う青年の車とまっすぐな道を写すラスト・シーンが印象的でした。自分を信じ、人も信じる。現実にはいろんな矛盾があり、世の中は厳しいが、それでも斜に構えるのではなく、まっすぐに生きていくことの大切さを大人も青年も子供も互いに共有しあえたら、と思わせるヒューマンな映画です。
グッド・ウィル・ハンティング−旅立ち−サウンドトラック
第70回アカデミー賞、主題歌賞・音楽賞にノミネートされた映画「グッド・ウィル・ハンティング」のサウンドトラック。
音楽は「シザーハンズ」でも知られるダニーエルフマンが「誘う女」に引き続き担当しています。
メインテーマの他に映画と絶妙なハーモニーを奏でるエリオットスミスの曲がアルバム
「Either/Or」から4曲とエリオットが映画の為に書き下ろした「ミスミザリー」を収録しています。
ウィルとスカイラーが出会うハーバードのバーでなんとなくかかっているのは、
ボーダフォンのCMでボヘミアン・ライク・ユーが話題になったダンディ・ウォーホルズ。
実際には映画の中で使用されていない曲も多くラストのStarland Vocal Band「Afternoon Delight 」が
収録されていないのはちょっと残念。
グッド・ウィル・ハンティング [DVD]
登場人物の心の機微・葛藤を鮮明に描くこの作品は何度観てもその素晴らしさに感動させられます。非凡な才能をもつ主人公ウィルの生き様に完全に共感することのできる人はいないかもしれません。でも大筋では共感でき、応援できる。あなたの心が優しくなれるお話です。
グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち―シナリオ対訳
マット・デイモンが10歳、ベン・アフレックが8歳の時から親友でもある二人が共同で書いたシナリオ本。
92年、マット・デイモンが劇作の授業の為に書いたシナリオをベン・アフレックに見せたのがきっかけ。
当時は駆け出しの俳優だった二人が、車の移動中やときにはファックスのやり取りで約2年の歳月がかかりました。
映画はカットされた部分やアドリブもあるのでこの本を映画の延長として読み始めると少し違和感を感じるかもしれません。
とくに、思わず笑ってしまうショーンの話(奥さんのおなら)はロビン・ウィリアムスのアドリブだったりします。
ですので、もうひとつのグッド・ウィル・ハンティングとして読むといいと思います。
映画との違いや当時の若者の英語・感情表現の参考資料としてもおもしろいです。
最初のバーの場面とスカイラーがチャッキーの家を訪れる場面は、
パーフェクトコレクションDisc2未の公開シーンでみることができます。
グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち(Blu-ray Disc)
この映画の主人公のように心が閉じていて、人と親密なコミュニケーションがとれない人というのは確かにいますね(私もそうかな?天才じゃないけどね)。こうした人の特徴は、本人は120%必死に頑張っているんだけど、どうしても心を開くことができないから、自分のことを他人に伝えられないし、他人の気持ちも分からない、だから自分の心は枯渇していくし、他人もどんどん傷付ける・・・という不毛な悪循環にはまってしまうことが多いように思います。
こうした人は、一見したところ冷淡な皮肉屋に見えるのですが、本当は罪悪感の塊なんですね。だから、こういう人は「自分は悪くない、自分の心の持ち方が問題なんだ」というように問題を整理できるようになると、自分を縛っていた罪悪感から解放されて、楽になれるんでしょうね。・・・おっと、しゃべりすぎ。あとは観てください。いい映画です。