こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)
読書歴が浅く、河合隼雄と安部公房が好きで買ったので、対話者の半分くらいは名前も知らない人達でしたが、それぞれの人達の個性がよく出ていて面白かったです。個人的に対話者の作品についてよりも雑談めいた箇所の方が楽しめました。
対話者が作家だけでなくて詩人、学者、医者などなかなかバラエティに富んでる内容かなと思いました。
勅使河原宏の世界 DVDコレクション
6枚組BOX。原作は全てあの安部公房。
カンヌで審査員特別賞の『砂の女』に目が行きがちだけど『おとし穴』『他人の顔』『燃えつきた地図』が個人的には大好きです。
雰囲気あるモノクロ映像と音楽の融合も完璧。
名前しか知らなくて買うのを躊躇してたけど大正解だった。たぶん一生の宝物になると思う。
長編映画DVD5枚+短編映画集DVD1枚+ブックレット。ボックスの作りも良い。
壁 (新潮文庫)
もし、自分の名前をなくしたら・・・
自分という認識票をなくしたとしたら・・・
日常の中で常識と思っていることのひとつひとつが、違っていたとしたならば・・・
そんなことを考えさせる作品
砂の女 (新潮文庫)
ある中年の男が、砂に埋もれかかっている部落に昆虫採集に来るところから物語は始まる。そこで男は未亡人に捕まり、一緒に生活し家を砂の被害から守る手伝いをする羽目になる。徹底した砂のリアリズム描写は読むものを圧倒します。シチュエーションが全くナンセンスであるにもかかわらず、読んでいくうちにこんな部落が現実に存在するのではないかと錯覚してしまいます。非常に深いのでじっくりと読んでください。
箱男 (新潮文庫)
本作の最大の美点であり欠点は、このタイトルだろう。一体何人の中高生が、この素晴らしいタイトルに惹かれてこの本を手にしたのだろうか。そして何人が、この訳の分からなさに跳ね返されて、その他の傑作に出会う機会を逃したのだろうか。想像するだけで残念な気分になる。
もしこれを読んでいるあなたが、安部公房に興味があるけど何から読んだらいいか分からなくて困っているなら、悪い事は言わない、本作はおよしなさい。まずは「鉛の卵」辺りの中期の短編か、「砂の女」にすべし。その次に戦慄の傑作「第四間氷期」。
その後は、全作読みたくてたまらなくなるだろう。そうなってから手に取るべき、中級者向けの作品。