クリアネス [DVD]
篠原哲雄監督は、現代の日本映画界では最上位に位置する監督のひとりだ。どの作品も大仰なクライマックスがあるわけでもないのに、観客を心地よくさせてくれる。本作もそんな一本だった。ケータイ小説の映画化っていうのは、今までどうも成功作が少ない。これは若年層に取り入るような作り方をしているからであって、オトナが観れるレベルではなかった、ということだ。そこはさすがに篠原組だけあり、きちんと大人の鑑賞に堪えうるシャシンに仕上げており、かつ内容も、一歩間違えるとB級Vシネになりそうな素材を上手く料理してあった。また石垣島や大阪のロケーションも安っぽさ感がなくてよい。篠原組で南の島、というと「深呼吸の必要」だが、あの暖かい雰囲気は今回も健在だった。主演の杉野希妃と細田よしひこの「か弱い」感じを出した演技もよかったし。杉野は映画本編は少ないようだが、もっと映画にチャレンジしてもいいのではないか。今回も「カラダを売る商売」と「恋愛」の狭間を必死に表現していたから、真実味があった。早く次が見て観たい女優である。特典のメイキングはもう少し充実させてほしかったが。全体的には星3つ。
「マルモのおきて」 DVD-BOX
笑えるし・泣けるし・和むし・こんなに見事に三拍子が揃っているドラマを久しぶりに見たような気がしたかな(^_^;)
不思議に何回見ても飽きないような気がするよ>^_^< 良いシーンで流れてくる音楽も良いんだよな〜♪
あの家族は)^o^(血は繋がってないかもしれない…だけど心の血は通いあってるんだよなって(^.^)
あんな家族になりたいなって(^o^)v思ってしまうドラマかな〜
優しくなりたいとき(^^ゞ泣きたいとき(T-T) このドラマをお薦めしたいね(^-^)v
追伸…やっぱりムックは○○さんですか?…(^-^)v
阪急電車 片道15分の奇跡 特別版 [DVD]
レンタルショップで全く予備知識なく、『阪急電車』?地元やん〜
って軽い気持ちで借りましたが、、
映画を評するには、色々な表現があると思いますが、
こういう映画を素敵な映画という表現がぴったりです。
登場人物も多いオムニバス形式だけれど、一つ一つのストーリーも
つながりがはっきりしていて分かり易く、全体として破綻する作品が
多い中、しっかりまとまっているのも好感が持てます。
今年観た中で一番いいかもしれない珠玉の1本です。
日本でもこんな素敵な映画が撮れるんだな、、って、感動です。
心にすきま風吹がいてるって思った時に観ていただきたい映画です。
きっと『この世界もそんなに悪くない』って思わせてくれるでしょう、、
疲れたな、、って思うときに何度も観たくなりそうな映画です。
映画を思い阪急今津線沿線を散策するのもいいかな、、
三宅喜重監督って知らなかったのですが、いい画を撮りますね。
劇場用映画デビューなのにびっくり。次回作が観たいものです。
阪急電車 片道15分の奇跡 blu-ray 特別版
まず、原作の雰囲気そのままに映像化している点は評価に値しますし、カットされたエピソードもありますが、原作以上に登場人物相互の接点が多く描かれ感情移入しやすくしています。
婚約者を後輩に寝取られたOL、夫に先立たれ老後を過ごすおばあさん、イケメン恋人のDVに悩む女性、今時の学生生活に馴染めない女子大生、PTAとの付き合いに疲れる主婦、仲間外れに悩む女の子、親に負担をかけまいと進路に悩む女子高生...。
登場人物各々が持つ悩みは、程度の差こそあれ小さいものではあります。「贅沢といえば贅沢な悩み」であり、しかも、他人への思いやりや優しさは描かれていても「努力や向上」というのはあまりない。特に、地方出身の大学生のコンプレックスやPTA仲間からの高額なランチの誘いを断れない主婦の悩みとかは、その傾向が強いかも。(苦笑)
でも、『等身大』と言う意味ではそうだし、ごく内輪の小さな話だからこそイイというのもあります。「一歩踏み出す勇気」、それを電車を通じて繋がった誰かが声を掛け、背中をポン!と押してくれる。
キャスティングは、イメージどおりの役者がそろい満足ですが、唯一、中谷美紀演じるOL翔子の婚約者を寝取った後輩役が、安めぐみというのは、ちょっと美人すぎる。存在感が薄く翔子より遥かに外見が劣ると言う事でなければ...。
原作では、軍事オタクと素朴な野草オタク女子大生のエピソードがかわいくて好きだったのですが、演じる勝地涼と谷村美月がイメージぴったりだったので嬉しかったし、エピソードの展開は分かっているのに微笑ましくも笑えた。谷村美月は、とにかくどんどん上手くなっているし演技の幅が広がっている。注目の女優の一人ですね。
原作では最初と最後に登場する、図書館で仲良くなる征志とユキのエピソードがカットされています。と言う事は、当然、「生」の文字のオブジェのエピソードもカットされています。川の中州に石を積んで製作されたこのオブジェは、エンドロール時にチラッと出てきますが、これは、阪神・淡路大震災で被災された方が製作されたメッセージオブジェなんです。「生きる」その言葉の意味と言葉の底力を、もう一度考えさせるもので、今この時期にすごくタイムリーであり、映画でもとりあげて欲しかった。
P.S. 征志とユキのエピソードは、本作の番外編ということでLISMOドラマとして配信されてました。特典としては付かないようで残念です。