新版 指輪物語〈4〉旅の仲間 下2 (評論社文庫)
目的語・補語・副詞句が、主語・述語を飛び越えて文頭に出る文体は、百ページ読んでもなかなか慣れない。しかしトールキーンがオクスフォードの言語学者なのを思えば、この凝り様になるほどとうなづける。語順に変化を持たせる文体は、シェイクスピアの戯曲のような効果を狙ったものだろうか。巷間で言われるほど難しくはなく、同じ単語が繰り返し出てくるので、読み進むのはつらくない。
1954年から書かれたこのハイ・ファンタジーシリーズが愛され続けるのは、やはり自己の内面を見つめた上で悪を敢然と意識する姿勢が作品全体に貫かれているからにほかならないだろう。
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション [DVD]
僕は、原作の大ファンであり、映画ファンでもある。原作を知っている人間はいくらでもいちゃもんをつけられるだろう。しかし、原作を完全再現することなど到底不可能なのはわかっていることである。3部作でしかもそれぞれが異例なほどの長さであるにもかかわらず、時間が足りない。そのような中でピーター・ジャクソンは実に良くやったのではなかろうか。僕の評価は、旅の仲間>王の帰還>>二つの塔、である。旅の仲間は、脚本の勝利だろう。削る部分がはっきりしているせいもあって、実によくまとまった作品だった。ふたつの塔は、アクションばかりに流れてアラゴルン、レゴラスはともかく、他の登場人物がしっかり描けていないように思われた。この王の帰還は、原作を上手にアレンジしつつ各キャラクターの心情も巧く取り込んでいけており、納得のできとなったといえよう。特にアレンジが効いて素晴らしくなっていてのは、サムだなあ、具体的には・・・まあ見てのお楽しみですね。もちろん、アクションやCGを利用しての情景描写をすばらしい。若干CGが嘘っぽいところもあるが許容範囲。ただ、やはり原作を知らないと固有名詞に関しては置いてきぼりである。アラゴルンってエレスサールっていうの?ガンダルフは何故ミスランディアって呼ばれてるの?イシルデゥアってようするに誰よ?エレンディルとエアレンディルって誤植?etc.etc.映画化にあわせていろいろとものの本も出てますが、やはり興味をお持ちになったなら、原作(邦題「指輪物語」)を読むのが一番ではないでしょうか。是非、チャレンジしていただきたいと思います。
新版 指輪物語〈3〉旅の仲間 下1 (評論社文庫)
本書は黒の乗り手に襲われ重傷を負ったフロドがエルロンドの館で目を覚ますところから始まり、エルロンドの会議で指輪の処遇と旅の仲間が決められ、旅に出るまでが前半になっています。
そして後半でモリアの地下宮殿に入り、出口を探す途中までで話が終わります。
映画と比較すると、より登場人物の心情を細かく描写していて、個々人の心の変化を理解することができます。
指輪の処遇と中つ国の歴史を知る上で重要な1冊になっています。
ロード・オブ・ザ・リング トリロジーBOXセット [Blu-ray]
年齢、国籍、人種を超えて全ての人が楽しめるファンタジームービーの傑作。
3部作合わせてアカデミー賞のべ16部門受賞ですもんね・・
まだ観てないって方はぜひ購入して、お正月休みにでもじっくり観賞するのがいいかも。
このくらいの価格で一生物だと思いますよ!
ロード・オブ・ザ・リング 知られざる中つ国 '旅の仲間編' [DVD]
原作ファンは元より、映画ファンにもお勧めの1本。特に映画は原作でカットされている点も多いので、より深く味わう為にも役立つと思われます。指輪物語が単なるファンタジーではなく歴史物語のようなリアルさを持っていることが理解できる貴重な作品。