山田クロマティカールくんのめきめきルーム

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三国志平話 かの有名な「三国志演義」は正史「三国志」を講釈にしたものである。そして、その「三国志演義」が成立する前の段階でこの「三国志平話」が成立したのであり、そのことは中川諭先生の冒頭の説明に詳しい。
これほど貴重な書物でありながら、なぜか今まで訳されていなかった。(と思う。)原文を読むしかないと諦めていたので、とっても嬉しいです。

完全敵地 サッカーファンの間では伝説の試合とされる1986年メキシコW杯予選の日本×北朝鮮戦アウェー試合を中心に当時森孝慈監督以下そのまとまりの良さから森ファミリーとまでいわれた日本代表(当時は全日本といわれていた)の戦いぶりを描く。
日本×北朝鮮戦アウェー試合は観衆8万人に対して日本は団長や取材記者、カメラマン、現地の商社スタッフなどわずか18人の日本サポーター。敵地のピッチは人工芝で、試合前に十分水を撒いておくことになっていたはずなのに、実際はわずかに水を撒いた跡が残っているだけだった。防戦一方の中、木村和司が相手から頭突きを受けて頭を地面に強打、ピクリとも動かず白目をむき、口から泡のような唾液が流れている。もうだめかと駆け寄った選手たちは思った。激しい戦いを何とか乗り切って韓国との最終予選、満員の国立競技場での木村和司の伝説のフリーキック。しかしプロ化した韓国の前に日本はあまりに脆弱だった。

あの北朝鮮アウェー試合は当時テレビはもちろんラジオでも放送されなかったし新聞記事の扱いも決して大きくはなかったので謎の部分が多かったが、今回著者によって初めて詳細に紹介された。当時に比べればアウェー試合ははるかに戦いやすくなったが、やはりこれからも厳しい戦いは続くだろう。

邂逅の森 (文春文庫) まるで息遣いが聞えてくるような、狩猟の場面。大自然の中で繰り広げられる人と獣たちの命の攻防。読んでいて、思わず息を呑みます。自然の大きさに比べたら、人の何とちっぽけなことか!しょせん、人も自然の一部でしかないと、思い知らされます。「マタギ」としての富治の人生、そしてその彼の壮絶な人生をも上回る、富治の妻イクの人生は、読む者に感動を与えます。富治の問いかけに対する「山の神」の答えは・・・。イクはすでにその答えを知っていたのかもしれません。場面、状況の描写、人間の心理描写、内容の面白さ、どれをとっても申し分のない作品でした。
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