世界遺産 日本編3 (白神山地/白川郷・五箇山の合掌造り集落) [DVD]
10月に飛騨高山方面、白川郷を旅したので記念に購入しました。
TBS制作の世界遺産は映像が美しく場面の構成や編集にセンスがあると
思います。
白川郷も十分に日本の文化遺産の雰囲気を楽しめます。
合掌造りの屋根から水蒸気が上がっている場面など雰囲気を高める
映し方であり情景が伝わってきます。
風土に合った土地のもの自然物を工夫して造りあげられた
合掌造りの歴史がよくわかる内容であり、自然と向き合って暮らす
里の人々の自然と共生してきた様子を実感できる内容だと思います。
養蚕や鉄砲火薬の原料を屋根裏や床下で作っていた歴史も
興味深く見ることができました。
冒頭で紹介される「白水の滝」にも行きましたが
対向車とすれ違うことが難しい狭く険しい山道を30分くらい要して登り
到着した滝を望める展望スポットから映した映像かなと思いました。
実際に見た映像がDVDに残ることは大変記念になりました。
映像のままの光景で迫力ある滝でありながら
水の純度の高さが伝わってきます。山道では飛騨地方に多く
生息されている栃の木に迎えられました。
白神山地の方は自然遺産で
ヤマゲラを始めとし、多くの動植物が生息しており
こちらも自然の大きさを実感でき貴重な自然遺産を大事にして
いかなければならないなぁと素直に感じられる。
雨が降り幹を伝って地面に染みこんでゆく雨の光景が
優しく映る。
歴史も楽しめ自然の風景では癒されるDVDだと思います。
白川郷合掌造Q&A
合掌造の建築構造に興味を持って購入しました。もちろん建築の本ではないので、その点が特別詳しく書かれているわけではありませんが(一般向けの本としてはかなり詳しい方)、合掌造の歴史と今がたくさんの写真・イラストとともに紹介されています。お手頃な値段なので、ちょっぴり興味を持ったという程度の人でもオススメです。
「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 (祥伝社新書185) (祥伝社新書 185)
これまで世界遺産に関する新書を2冊出した著者による、世界遺産の本質を探った本。私も経験があるが、外国に行くとがっかりな世界遺産は結構ある。しょぼそうな世界遺産はなぜ世界遺産に登録されているのか??という疑問に本書は回答を示そうとしている。
登録の基準は「普遍的な価値」の有無にあるが、数値的なものではないだけに、登録はあいまいなものになっている。また、文化遺産の場合、普遍的な価値が今後残りうると見れば、シドニーのオペラハウスやブルーノ・タウトのアパートなど、出来て100年経っていないものでも、ためらわず登録する。本書では登録までの過程を、最近登録活動が行われた平泉や石見銀山を基にして詳細に説明する。事前に数年かけ、かなりの調査が行われていることを感じさせるが、それだけ長い道のりだということも言える。また、1ヶ国当たり年2件しか登録を認められない現在、国内だけで30以上登録活動をしている遺産がある。登録の見込みは薄いし、登録して観光客が急増すると、遺産が荒れるなどマイナスの影響も少なくない。にもかかわらず、専門のスタッフをつけるなど、少なくない税金も使われている問題点も著者は指摘している。
世界遺産=世界的観光地と表面的な理解がブームの要因でもあり、世界遺産を楽しむためにはより深い文化、地理や歴史などの背景を知ることが重要だと著者は語る。教科書的な感じがあったり、世界遺産の範疇で救い出すのは困難ではないかと思う、地名、言語の問題が出るのはどうかと思ったが、著者の考えはおおむね納得できた。