ひとりぼっちのスタジオ
75年発表の2nd。デイヴ・エドモンズのイメージは頑固でロックンロール一筋なところがあるんだけど実際には全然違う。テビューにあたるラヴ・スカルプチャー時代には剣の舞のロック・バージョンをヒットさせるアート・ロックぶりを発揮し、80年代にはジェフ・リンと組んでテクノっぽいアプローチをしてみたり、90年代にはロカビリー風・・・と本当はかなり節操がない。もちろんここがこの人の最大の魅力ではあるのだけど、このアルバムではほとんど一人の多重録音でアルバムを仕上げ、フィル・スペクターの1.と4.を思いっきりスペクター・サウンドでカヴァーしている・・・物凄いオタク振り。はっきり言って聞き物です。Let It Rock のみブリンズリー・シュウォーツがバックを勤めたライヴです。
ゲット・イット GET IT (紙ジャケット仕様)
なんだかかっこいいわこれっ。エルビスプレスリーにも負けていない。ニックローとも一緒にやっているわ。1977年のアルバムだけど、中身はもう最高。これ聞いてないとデイブのファンやっちゃいけないわよね。それって反則よ。明らかにデイブのピークね。歌をかっこよく決めるのって意外に難しいのよ。この人てやっぱりピュアよね。体が自然と動くのよ、それそれ~~
10点中10点
トラックス・オン・ワックス4 TRACKS ON WAX 4(紙ジャケット仕様)
1977年ごろからデイヴ・エドマンズはニック・ロウ、ビリー・ブレムナー、テリー・ウィリアムズとロックパイルというグループを組んで活動していた。ロックパイル名義では1980年に“Seconds Of pleasure”というLPを1枚残したきりで、1981年に活動を停止するのだが、実質的なロックパイルの作品として、何枚かがデイヴ・エドマンズやニック・ロウのソロ名義の作品として残されている。本作はそういう作品の1枚で、デイヴ・エドマンズのソロとしては4枚目となる1978年のアルバムである。
ここでの音は、当時でも現在でも流行の最先端というわけではないだろうが、過去の音楽的な影響を充分に消化しつつも、枯れた味わいで聴かせるのではなく、ロックの原点とも言える、聴き手を高揚させる、勢いよく生き生きと弾んだ素晴らしい演奏である。そしてここには過剰な虚飾や、売れ線に乗ろうなどというあざとさや、わざとらしい姿勢が微塵も感じられない。それがこの作品を素晴らしくした要因だと思うのだ(単なる演奏力云々ではなく、そういう姿勢のほうが遥かに重要なので勘違い無きよう)。
1979年の次作“Repeat When Necessary”、ニック・ロウの同年の“Labour Of Lust”もロックパイルの全面参加の作品で、“Seconds Of pleasure”も含め、どれをとっても、素晴らしいです。諸手を挙げて、万歳です。見つけたものから、聴いてください。