ジェントルマン
相変わらずの文章力。
純文学が芸術なのだと実感できる。
ただ、昔のねっとりした感じがなくなったような気がする。
あの男に対する偏見にも思える書き方がなくなり、
誰にでも読みやすくなってしまった。
好い意味でも悪い意味でも、読みやすい。
学問 (新潮文庫)
山田詠美さんのファンです。詠美さんの小説の系統では、外国人の方との濃厚で官能的な恋愛を描いているものよりも、私は学生ものや短編が好きでよく読んでいました。『放課後の音符』や『風葬の教室』や『晩年の子供』など、好きな作品は挙げればたくさんありますが、最近はしばらくこういう系統を描かれていなかったように思います。
しかし、この『学問』は、私の好きな系統の作品でした。語り手の口調も女の子の独白で、ですます体のところや、舞台の着想を詠美さんが幼い頃過ごされた静岡に得ていたりするところも、『風葬の教室』などとリンクしているなあと思いました。作風は少し違っているようにも思いますが。
登場人物は最初は幼く、章を追って中学生、高校生と成長していくのですが、そんなに幼い世界で起こっていることなのに、こちらがはにかんでしまうくらい、官能的でした。直接的でわかりやすい官能ではなくて、この小説で描かれている官能は、周到に隠されているというか、抑えられているというか、そこが余計にエロティックで惹かれます。ページをめくる手が止まりませんでした。
でも少し残念なのは、語り手である主人公にしても周りの人間にしても、『ぼくは勉強ができない』の秀美くんのような、カリスマ的な「魅力」が感じられないことです。かっこい人物はあまり出てきません。この作品でスポットライトが当てられているのは、そういう個人の人間性じゃなくて、男と女の不思議な関係性だからだと思いますが。
でもそれを差し置いても、本当におもしろかったです。はにかむエロさがあって、分かりやすいエンターテイメント的な恋愛小説より、ずっと、心に残る作品です。さすがです。
THE BADDEST~Only for lovers in the mood
この限定アルバムを数年ぶりに聞いて感動しております。
実は、発売当初にこれを購入し、大切に聞いていました。
しかし、運悪く車上荒らしに遭ったことで、CDをほとんど盗まれてしまい、
このアルバムの存在すら忘れていたところでした。
あるときに部屋の中を片付けていると、CDが入っていないケースと
おまけの小説を発見したのです。
もう一度聞きたい!
さっそくAmazonを探してみると中古品があるではないか!
もちろん注文させていただきました。
数年ぶりに聞いてみると、古さを感じさせない
(8年前のアルバムとは思えない)仕上がりですね。
やっぱり久保田は最高です。
秋の夜長に酒を飲みながら聞くにはちょうどいい。
そして、ちょっと大人になった自分には、
小説の内容がとても理解できるようになっていました(笑)
買ってよかったです。
シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD]
沢尻エリカと柳楽優弥が共演した作品。
沢尻が積極的な女の子を、柳楽が奥手の男の子を演じています。
2人とも役にピッタリでこれだけで作品にのめり込めます。
感想としては、若いなぁ〜と(笑)
そして昔を思い返して、心が痛くなりました(笑)
奥手は損。後悔しか残らないと改めて思いました。
映画では、感情だけで動ける時期から
結婚や生活を考える時期への変遷を経験する男女の恋愛
を見ることができます。