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フォー・フレシュメン (The Four Freshmen 1948年〜) はアメリカ合衆国インディアナポリスのバトラー大学で誕生した男声カルテット。1950年スタン・ケントンが見いだしたとされている。オープン・ハーモニーとユニゾンを得意とするジャズ・コーラスが最大の特徴といえる。特にフォー・フレシュメンのオープン・ハーモニーは世界初といわれている。一般的に男声カルテットの場合、上から2つ目のパートがメロディを歌うが、一番上のパートがメロディを歌った初のボーカルグループとされる。ユニゾンとは直訳では斉唱(せいしょう)もしくは斉奏で、複数の人が同じ旋律を歌うことをいう。これに対し一人だけが歌う場合を独唱、複数の人がそれぞれ別のパートを歌うことを重唱、複数のパートをそれぞれ複数の人が歌う場合を合唱という。オクターブが異なる場合でも同じ音を出していれば斉唱とされる。少しむずかしい話になったが、何しろフォー・フレシュメンは聴いていて気持ちがいい。楽器ではなく人間の声の魅力を余すところなく表現したジャズ・コーラスにしばし酔う。
(青木高見)
フォー・フレッシュメン&5トロンボーンズ
フォー・フレッシュメンは最初1948年にインディアナポリス市、バトラー大学の学生兄弟、ロスとドン・バーバーによってハルズ・ハーモナイザーと名付けられたバーバーショップ・スタイル・カルテットが結成されました。ジャズのレパートリーをメインとする"トッパーズ"に改名してアドリブを取り入れたスタイルを確立し、最後にこのフォー・フレッシュメンと改名されました。1950年にはウェストコースト・ビッグバンドの スタン・ケントンの紹介でキャピトル・レコードと契約を結び、次々とシングルヒットを飛ばしました。また、1953〜1958年にかけてダウンビート誌のベストボーカル・グループにも選出されました。その彼等が1955年に録音したものがこのアルバムですが、ベストセラー・アルバムとなり、その後フォー・フレッシュメンのスタイルはジャズコーラスと共に四人の各自が楽器を演奏するユニークなもので、モダンなジャズの領域をより広げて多くの聴衆を惹き付けてきました。