ツィゴイネルワイゼン
こう奏でたい、という意思と、こう弾くとこう鳴るんだという技巧の絶妙なブレンド。
諏訪内さんのヴァイオリンの走るような演奏、それに牽引されるオケのフォローも良い。
ソリストとしての演奏はこうあるべき、という計算と錬磨が見事に奏で合う演奏。
正確なんだろうと思いつつ、だれも届かない至高の正確さを追い求めるかのような演奏。
カルメンがいいな。きっと心に描いているのはカルメンのような情熱。
どの曲にも主張があって素敵なアルバム。
心躍る演奏ってこういうのだろう。
諏訪内晶子 & イタリア国立放送交響楽団 [DVD]
諏訪内さん自筆の本「バイオリンと翔ける」を読んでから、チャイコフスキー制覇の後、更なる研鑽を積み約10年経った諏訪内さんの演奏を映像で見たいと思い買いました。素晴らしいパガニーニでした!楽譜通りに綺麗に弾くだけでなく、それに伴い作曲家の思い・その時代を考えた演奏だと素人の私でも分かりました。コンサートだと遠くてバイオリンとはどう奏でているのだ?とよく分からないのですが、このDVDは特に指の部分のアップが多く、美しく長い指で速い部分を弾きまくるテクニックは驚くばかりです!やはりCDでは伝わってこないすごさがありました。顔のアップを沢山見たい人には残念かもですが・・。★4つなのは、諏訪内さんのみのDVDだったら良かったなとの思いです(^o^;
メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
1990年のチャイコフスキー・コンクールに優勝してから10年、やっとそのヴァイオリン協奏曲を収録したわけですが、個人的にはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲により惹かれ、第3楽章のダイナミックな表現には特に感心しました。力任せに弾くのではなく、理知的に崩れることなく全ての音を弦にのせ、オーケストラと一緒になってクライマックスへ突入する部分はワクワクします。
メンチャイという言葉があるように、ヴァイオリン協奏曲の代表的な2つの曲目ですから、期待度も高まると思います。ケレン味のないとても丁寧で真っ当な演奏でした。彼女ほどの技量があれば、もう少し大見えを切っても良いと思うのですが、良い意味で楷書風の演奏で、過度な表現を排除した真摯なものでした。
彼女の個性の一つとして音の伸びやかさと透明性があげられると思います。過度のヴィブラート等の表現を排除し、訴求力はあるのだけれど、節度のある表現がまた演奏家の知性を感じさせます。このように一般的によく聴かれる曲こそ、王道とも言える堂々とした表現力のある演奏が望ましい、と思いました。
ヴラディーミル・アシュケナージの指揮も至極正統派で、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も彼女の演奏と同様、真面目に音楽を追求した、という感じを受けました。
ストラディヴァリウスの"ドルフィン"を使用とのこと。そのせいかどうかは分かりかねますが、弱音の艶やかさはしっかりと伝わってきました。伝統あるドヴォルザーク・ホールの雰囲気を捉えた録音ですので、メリハリを期待する向きには物足りないかもしれませんが、ホールの真ん中で聴いているような豊かな響きが感じ取れました。
クラシック2002
何だこの参加アーティストは。
サラ・ブライトマン、ボンド、フィリッパ・ジョルダーノ、ラッセル・ワトソン、シャルロット・チャーチ、3大テノール、小澤征爾、諏訪内晶子...
すごすぎる...
期待大です。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
コンクール本選の演奏は、彼女特有の激情を内に秘めた音色で感動を誘い、この演奏なら審査員全員一致での優勝も当然と思われた。
しかしこのCDは優勝後のコンサートの録音であり、高揚感は本選の演奏に比べて半減。
さらに最近の諏訪内の演奏を聴きなれている方には、楽器に依る音色が物足りなく感じられるかもしれない (ストラディバリのを貸与される前なので)