20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗 豪華版 (本編DVD1枚+特典ディスクDVD1枚)※生産限定
冗談みたいに大きな初回盤は、袋に入っていても、何を買ったかバレバレで… 実はそれが意図だったりして(笑)。「20世紀少年」のEpisodeは、全て、昭和から平成にかけて、実際に起きた事が元になっている。「♪グータラ」は勿論「スーダラ節」。万博音頭は三波春夫。「教祖」が国家転覆を謀った事件だって、つい何年か前に東京で起きた。日本が、世界が、一番騒がしかった頃を、ちょっと大げさに描いているのだ。
―ケンヂが子供の頃に、草むらの「秘密基地」で書いた【よげんの書】。28年後にそれと全く同じ出来事が起きる。「ともだち」と名乗る謎の人物は、かつての仲間の誰かなのか?―
「20世紀少年、映画に出来るの?!」って思わず笑った(常盤貴子)。あまりに壮大で、とても映画に出来そうにない漫画を。飄々としたキャラクターの監督が、俳優という俳優に声を掛けまくって、本当に作ってしまった。実写的に無理なシーンも強行突破。だから、「リアリティの映画じゃない」(豊川悦司)。そして三部作を以てしても、相当「駆け足」なので、音楽で言うなら“Short Edit Version”と言った趣である。
でも、イベントとしては十分に面白い。木南晴夏を初め、キャストは皆、子役までそっくり。そして何と言っても、二足歩行ロボット!! これが凄かった。「速い… 前の奴より格段に速い」(ケンヂ)。本当に巨大なロボットが街を踏みつぶしている様に見えるのだ。「ともだち」が2人?! というラスト予告も、「なるほどぉ そう来たか」と納得の展開。芝居はやや「平」板も、平愛梨はかなりタイプだし、ツインズをコミカルに演じた佐野さん最高。
DVD独自の「もう1つの」Endは、ラスト前に「詳細解説」を加えた的なもの。最後に、「自然な」演技力で魅せてくれた、豊川さんに星4つ。
20センチュリー・ボーイ~Final Chapter
思わず、口ずさんでしまう曲です。漫画を読むだけでは、ケンジが作ったカレーライスのうた(Bob Lennon)がどのようなメロディーが分かりませんが、このCDを聞くと、20世紀少年の話を思い出し涙が出てきます。
隠れた名曲といえるでしょう。
MASTERキートン 3 完全版 (ビッグコミックススペシャル)
表紙に英語で書かれたなによりも適切な解説である、この本を紹介を最初に(意訳)。
「父は日本人、母は英国人。
古代ドナウ川文明を夢見る考古学者。
古代武器の知識に通じた調査員。
やさしい心と強い意志を持つ男。
この謎に包まれた男の活躍を描く、第3巻である。」古代武器に通じるキートンを描いたのは「黒い森」ドイツの雇用事情とトルコ移民の問題がベースで、現在もドイツはこの問題を抱えています。欧米が抱える問題には、テロの続発や凶悪犯の急増があります。政府当局は犯罪者に高額の賞金をかけるほどです。そのあるケースを描いた「小さな巨人」。太一の父、太平が美人な人妻から飼い犬を探してほしいという依頼をうけた顛末「すべての人に花束を」。ラザーニェが嫌いな女の子とキートンが逃避行、「ラザーニェ奇譚」。「父」から貰ったコレッジリングを取り戻してほしい。不思議な女キャシーの心を埋めるのは・・・「赤の女」楽しい人生、すばらしい人生とは何か考えさせられる「アレクセイエフからの伝言」。そしてキートンの人生は、いろいろあっても、あくまで楽しい。大学時代の級友と「昼下がりの大冒険」。この巻には「マスターキートン」全巻を通して私の一押しがあります。「屋根の下の巴里」。学生時代に迷ったわたしに、そして今のわたしにも勇気をくれた大傑作です。
声に出して。
声に出して。
前向きに進もうという自分に出会える。
特にココリコ坂からは聴くべき、これほど内容の濃い、そして気軽に聴けるアルバムはまたとない。
声に出して、ココリコ坂からの玲里のボーカルは秀逸。聞き逃さないように。
MASTERキートン 9 完全版 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
完全版も全12巻の9巻目と、野球でいうラッキー7、終盤の始まりを迎えた。
新たなフォーマットやキャラではなく、ここまでで確立したフォーマットとキャラを掘り下げることで、人間が持つ強さ、弱さを優しく肯定していく その時にほろ苦い一片を描き出す作品群は、20年の時を超えて、私達の心に伝わり続けるもの。
「渡り鳥の黄昏」「伝説の微笑」「臆病者の島」「トム・バウワーと少年」「薔薇の館」「塔の男」
なかでも、「パイナップル・アーミー」を彷彿とさせる「臆病者の島」は、映像化もされているが、晩年は「おやおや、阿藤さん、今日はどこへおでかけですかぁ」の人になっていた故・滝口順平さんが、実に上手い演技をされている。
それと、「薔薇の館」は、個人的にはチャーリー回のベストと思う。
一方で、そんな人々の小さな輝きを呑みこむ深い闇を抱える歴史を描き出したのが、「ライオンの騎士」「銀月の騎士」の二部作と、「心の壁」後者で描かれた東西分裂時代のドイツの汚れた歴史は、「MONSTER」で改めて浮き彫りにされる。
前者では、キートンや友人の勇気も活躍も蟷螂の斧ですらないような、巨大な闇に触れられている。それでも絶望しないゲストたちに救われる回だ。