ザ・チャック・レイニー・コーリション
このアルバムは96年に発売されたもので、2005年に再発されたものには無いボーナストラック(10~13)を含んでいる。2005年版で初めて本作を知った人はご注意を。内容はソウルフルなファンクフュージョンと乱暴に言えるかも。スタジオセッションを数多くこなしてきただけあり、非常に良くこなれた曲作りと演奏になっている。派手な曲は無いが、聴けば聴くほど味が出てきて長く付き合える曲ばかりだ。クラブ系ファンは大いに気にいるだろう。お勧め。
フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ
ハービー・メイソンdr、チャック・レイニーbs、デビット・T・ウォーカーgtの3人が参加した作品は知る限り全部好きですが(笑)、中でもこの作品が1番気に入っています。デビットT好きの私にとっては、もう堪らないアルバムである。
その上にラリー・カールトンのギターも絡まってくるのだから、もう最高である!!
1曲目の長いお喋りの途中からフェイドインする演奏が超ファンキーで、所々にジャジーなフィーリングが素敵!どうすればこんなカッコイイ曲が出来るのか、マジ聞きたい所です。ROBERTA FLACKの名曲「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」のカバーは原曲を遥かに凌駕した素晴らしい出来にただ感動。ゆったりしたサウンドの其処彼処に、絶妙のタイミングでデビットTの「ピーン」と弦を弾く音に痺れる・・・8曲目”Lovin'you was like a party”は個人的な思い出深い曲。
小さなライブハウスでマリーナを観た時の事。ピアノ、ベースとマリーナの3人のライブの為、ピアノ中心のアレンジに変えられていた曲が多い中、この曲がアンコールで超盛り上がりで、改めて曲の良さを実感した次第です。
最後に一言・・・一生聴けるジャズファンク(ジャズボーカル)の最高傑作で買って損はありません!
マイ・ディア・ライフ(K2HD/紙ジャケット仕様)
'70s末からの一大フュージョン・ムーブメントの火付け役であり、リーダー的位置にもいた渡辺貞夫氏(fl、ss、etc..)の'77年作品。
フュージョンというカテゴリが(後年になって)"技術至上主義"だとか"軟派/無刺激"といった悪しき誤解を受けるに至ったのは、それこ、そそれら言葉を甘んじて受け入れなければならないような二束三文的な音がムーブメントに便乗して氾濫したからなのかも知れません。
ですが、本質的にフュージョンの言葉が示すものは"融合"であり、演奏技術を必要以上にひけらかす事でも、表面的な気持ちのいい音を追求するだけのものでもなかったはずです。
本作は氏のフュージョン期の作品ですが、東洋的な響きに導かれて始まる[1]や、若き日の'70年モントルージャズフェスで演じたこともある[3]など、技巧がどうのこうのではなく、ジャズから更に踏み出した新しい音楽としての表現を求める氏のバイタリティーが溢れています。アフリカン/ブラジリアン・ミュージックやそのリズムへの傾倒もあった氏であるからこそのアイデンティティがそこに詰まっています。
当時、米での同ムーブメントを支えたリー・リトナー(g)、デイヴ・グルーシン(key、p)、ハービー・メイソン(ds)等など、渡辺氏のアイディアが本当にフュージョンした一作かと思います。
ザ・チャック・レイニー・コーリション(紙ジャケット仕様)
出た。チャックレイニー名義のアルバムだ。
パーソネルはバーナードパーディー、リチャードティー、コーネルデュプリー、エリックゲイルなど馴染み深いメンバー。
買うときに「どうせ失敗するだろうな。自慰行為に近い音楽を聴かされるんだろうな。サイドマンがリーダーになってイイことなんて滅多にないかんな」とか思いつつレジに持ってった。
期待を持たずに、先入観をなるたけ排して聴けたからなのか、
コレはとても素晴らしいアルバムですよ!
技術やセンス、グルーブ感が素晴らしいことは他のサイドマンで入っている音源で重々承知していたつもりなのだが、チャックレイニーの凶暴さ、いや獣のような獰猛さが随所に見れるのはこのアルバムの醍醐味です。
イチバン深い(低い)とこでボトムを支えていたと思えば、お得意の高音部でのスライドやダブルストップでトゥーントゥーンします。
ピーターガンのテーマ、最後の曲なんですが、
ジャコパスと同レベルの迫力だと言ってもボクは恥ずかしくないです!
先に記したボクとおんなじような偏見で買い渋っている方!イイっすよ!
Young Gifted & Black
女王アレサ・フランクリンの'72年リリース作品です。A.フランクリンのベスト・パフォーマンスとなると、'70s初期作品を挙げる方が多いかと思いますが、<Amazing Grace>程にゴスペル色を前面に出すモノでもなく、<Aretha Live at Fillmore West>程の熱気ムンムンでもない、所謂、ちょいどいい湯加減のA.フランクリンの良さ(ソウル、R&B、ポップ)を味わうにはいい作品なのではないかと思います。
夜中に一人で聴くとイントロのピアノだけでも"ぐっ"ときてしまう[1](私だけか(^^;)、ファンキーに攻める[3]、アルバムタイトル曲であり、ジャズシンガーのニーナ・シモン作である[4](個人的に非常に好きです)等など、バランスとエンターテイメントを無理なく両立させていると思います。また、セールスに良好だっただけでなく、本作でグラミー・アワードとして"Best Female R&B Vocal Performance"も手中に収めています。
また、バックを務める面子も流石に凄い方々が揃っています。ドニー・ハザウェイ(org、el-p)、ビリー・プレストン(org)、コーネル・デュプリー(g)、エリック・ゲイル(b)、チャック・レイニー(b)、バーナード・バーディ(ds)、ヒュー・マクラッケン(g)等など。