カエターノ・ヴェローゾ&マリア・ガドゥ
2010年12月リオでのライブ録音。
シンプルだけど、繊細さとは少々違うプリミティブでざっくりとした声とギターの世界。
マリア・ガドゥの、ハスキーで情感はあるけど湿っぽくないボーカルとカエターノのボーカルの相性はとても良いと思います。
ジー・イ・ジーのライブ、ホベルト・カルロスとの共演盤、デビッド・バーンとの共演盤、最近のイヴェッチ・サンガーロとジルベルト・ジルとの共演盤、これらは日本盤が出ていない・・・。
誠に残念な状況ですが、このマリア・ガドゥとの共演盤はめでたく日本盤が発売されています。
愛に満ちた中原仁の解説と国安真奈の訳詩が付いています。
二人の詩の世界も、そのサウンドと共に堪能できることの幸せ!
CD1は、D1からD11がカエターノとマリア・ガドゥのデュエットです。
D12のカエターノ作をマリアがソロで、D13のマリア作をカエターノがソロで歌います。
D13は観客の静かな合唱が心地良く(みんな上手!)、歌う国民ブラジルでのライブならではの楽しさ!
CD2は、ソロ・パフォーマンスで、D1からD6はマリア、D7からD13がカエターノという構成。
後半の静かな、でも確実に熱を帯びた盛り上がりが良いですね。
D12「ソジーニョ」での客席からの「アキーィー!」という「プレンダ・ミーニャ」盤と同様の合いの手が楽しいです!(ライブの定番なのでしょう)
そしてD13「アレグリーア・アレグリーア」の熱!
あの灼熱の時代の片鱗が漂うかのように、カエターノのボーカルも熱いのです。
「アレグリーア・アレグリーア」
・・・ハンカチも身分証も持たずに
ポケットも両手も空のままで
なぜなら、このまま生きていきたいんだよ
だから進む
いいじゃないか・・・
断然、おすすめのライブ2枚組!
ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々 [DVD]
ヴィニシウス、本当にすばらしいです。
大詩人でありながら、大衆音楽の作詞も数多く手懸け、そのすべてがすばらしい。外交官としても有能だったらしいです。
文学的には伝統を尊敬しながら大衆の心情に合う詩を作ったらしい。音楽的には年下のアーティストらと組み、白人音楽と黒人音楽を融合させ、洗練され斬新なリズムのボサ・ノーヴァやアフロ・サンバを作った。
偉大な人物にもかかわらず、気取ったところが少しもない。気さくな人物です。
映画では彼が愛と友情に生きた様が紹介されています。大酒飲みで女好きのヴィニシウスですが、人生は一回きり、地位や財産よりも「愛」に生きるべきと自覚していたんでしょうね。人生の意味を表面でなく、魂の深い部分から追求した人ということがよくわかります。
僕もヴィニシウスのように生きたい。
Noites Do Norte
息子モレーノのタイプライターミュージックもさることながら、親父はやっぱりすごかった。
スタジオ24ビット録音の冴えも音楽と完璧に調和していて、ストレートな音楽の表現という意味でも極めて『ロック』なアルバムだと言えます。ブラジルでの黒人奴隷をテーマにジャケットもつくられていますが、歌詞や音楽内容の重さを跳び抜けて、涙が出るような美しい曲が前半にならびます。5曲目のカエターノロック爆裂の後、6曲目はミケランジェロ・アントニオーニへのオマージュ。後半は歌詞と曲が分かちがたく絡み合う名曲が続き最後はなんとブルース!
21世紀こそ、ロックな姿勢で人生を謳歌しなければならない、そのための必須音楽です。
Caetano Veloso
声だけでここまで世界を構築できるなんて驚異的だ。
技巧的に滅茶苦茶素晴らしいわけではないが、彼の声は味がある。
かなり声の好みが分かれるんで万人向けの一枚ではないと思います。
ジョアンほどではありませんが、彼の声もブラジルの誇る国宝でしょう。
こちらのリマスター盤が国内盤で発売中。手前味噌ですが、タワレコにでも行って買ってあげてください・・・
ブエノスアイレス Blu-ray 愛蔵版
ウォン・カーウァイの作品は全てとは言いませんが、結構見てきました。
その中で、私はこのブエノスアイレスが一番印象的で好きです。
アルゼンチンの撮り方が美しく、魅了されました。
この作品は何度も見る方が良いと感じましたので、このBlu-ray版に2種類の本編が収録されているのは好印象です。
自分は劇場公開版→デジタル復元版と鑑賞しましたが、どちらにも味があって良いと思います。
この画質で是非ウォン・カーウァイの別の作品もBlu-rayで観てみたいです!