南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫)
子供の頃に映画「南極物語」を観たときは
犬好きなこともあり、犬たち中心でしかこの映画を観ていなかった。
今は、この著者の当時の心に同調して涙が出る。
首輪をはずしてやれなかった無念さやタロ・ジロが生きていた喜びを思い、
繋がれて死んだ犬たちを葬むったときには魂を潰されたという著者の言葉に
自分の魂も潰される思いがした。
今も鎖から逃れた犬たちの数匹は南極の氷の中にいることだろう。
下っ端かつ犬係であった著者が書いたこの本こそが
残された犬たちの真実を語っているのだと思う。
地震速報機 EQA-001 31308
半信半疑で地震速報機を買いました。
先日夜中にあった地震の時、正しく動作しました。動作して当たり前ですが改めてビックリ。
まさに小粒でもピリット辛い一品です。勿論動作するようなことが起きないことを望みますが
我が家の防災に一役買いそうです。
日本合唱曲全集「落葉松」小林秀雄作品集
「落葉松」は歌曲の名作としても知られていますが、混声合唱でも歌われており、多くの合唱団の愛唱歌ともなっています。ここでは、木下保指揮、日本女子大学合唱団の名演奏を聴くことができます。田中瑤子さんのピアノが冴え渡っています。
「落葉松」の抒情性豊かな女声合唱に惹かれます。これだけ魅力的なメロディを持った合唱曲はないですね。センチメンタルでノスタルジアを感じる美しい世界がそこに展開されており、感動的なクライマックスまでとてもよく歌われています。
ア・カペラの『優しき歌』は譜面も簡単でメロディも美しく立原道造の詩と小林の曲とのマッチングが絶妙で、合唱組曲としてとても良くまとまっています。伊藤栄一指揮、東京カントライの演奏も大人の合唱を聴かせており、安定感があります。抒情的な歌詞にメロディアスな曲、合唱作品として歌い継いでほしい楽曲です。
『前奏曲』の3曲は少し難解な部類に入ります。メロディやハーモニーに取っ付き難さを感じますので、アマチュア合唱団がコンクール以外で歌う機会はあまりないでしょうが、この東京カントライの演奏を鑑賞して、小林秀雄の音楽世界を堪能してください。
古橋富士雄指揮、東京放送児童合唱団シニアの演奏による『九州民謡によるコンポジション』も上質な女声合唱曲として、今もコンクールで取り上げられています。演奏するのには難しい曲ですが、若いが経験豊富な東京放送児童合唱団シニアの皆さんの卓越した技術力でいとも簡単に魅力的に歌い上げています。「キンキラキン」「稗搗ぶし」「どんたくばやし」という急緩急という構成で、ピアノが伴奏の領域を越えて音楽を作っています。しっとりとした「稗搗ぶし」は見事な歌唱でした。