カッコーの巣の上で [DVD]
規律や法律によって単純に裁かれる・・・それよりも
恐ろしいこと、それは「規律」「規則」より
「管理」だ、一見、自由や、
反論など、は認められるが、実際には管理者たちに
よってそれらは、いかようにも判断される。
最も「嫌な感じの支配」である。侍に「切腹」を
命じたり、西部の荒くれものを処刑するより
「いやな感じの」支配、管理。
最低、最悪の管理を表現している。
この映画、アメリカ人には良さ、悪さあるが、
その「良さ」が出ている。
つまり、単純だが「自由を奪う」ことに対する「不滅の反抗心」
その感性を失わないこが、見て取れる。精神の根幹に関わることが
問われている。最後のチーフの「精神的力と物理的力」の同時発現にも
注目だ。精神的力と肉体の力が重なる・・これは、すごいことだ。
マーズ・アタック! [DVD]
いやはや。監督のチョイス、いいわあ。ニコルソンあたりだったら皆予想はつく。そこをグレン・グロースやらピアース・ブロスナンやら登場させて、しかもギャグ映画だって言うのにみんな確信犯的マジ演技!笑うなって言う方が無理ですっ!特にグロース姐。私は勝手にハリウッドの岸田今日子女史とよんでおりますが、マジになればなるほど笑いを誘ってしまう素敵な大女優だ!なんだか梅図かずお氏の漫画にも通じますね。極限の笑いと恐怖は共存していると誰かが言っていたような。ニコルソンと共にそれを表現できる希有な俳優さんですね。たぶんそれを狙っての配役じゃないかと。
そしてピアース・ブロスナン。わたくし個人としてはあまり魅力を感じない俳優で、007には向かないと思っておりますが、まさか首だけなるとああもセクシーになるとは。なんて。
歌手トム・ジョーンズの、サワヤカ~で贅沢な使い方も含め、(実に効果的。ツボを得た使い方でワタシ笑い転げました。)
真剣にギャグ映画を楽しんで作った映画だな~と思います。バートン監督作品の中でもいちばん好き。
お話も“いぢわる”でナイス!なので星は5つ!
最高の人生の見つけ方 [DVD]
子供ができたために大学進学をあきらめざるをえず、自動車整備士に
なったカーター(モーガン・フリーマン)と、お金は腐るほどある実業家の
エドワード(ジャック・ニコルソン)。
そんな二人が病院で同室になったのは、病院はホテルじゃないから個室はいらない
という自分の主義のせいだった。。。
お互い最初はうっとうしがるものの、なんだか友情っぽいものが芽生えてくる。
そして、余命を宣告される二人。。。カーターが書いた棺おけリスト(死ぬ前に
やっておきたいことリスト)を目にしてしまったエドワードはこんな地味なの
つまんないだろ、もっとエキサイティングなことをしようとカーターに持ちかける。
かくして男二人(+秘書一人)の冒険&世界旅行が始まった。。。!
スカイダイビングにマスタングを乗り回し、世界を見て回る。(一緒に旅してる気分に
なれて楽しいです!)
自分の時間がほしいと、妻がとめるのも聞かず旅立ったカーターだったが、
あるとき妻のことを思い出してしまい。。。
余命6ヶ月(もしくは1年)の旅はどうなるのか。。。リストは消化できるのか。。。
(なんとなく、My Name is Earlを思い出しますが。)
主役二人はもちろん大物ですから当たり前なんですけど、うまいなあ〜と感じさせて
くれます。クスっと笑わせてくれたり。
医者役でナンバーズの人が出てます。
人生をどう生きるか、大事ですよね。忙殺の日々でそういうことを考える暇も
なかったりしますが。。。
私は余命を知りたいほうですね!後悔することがいっぱいあってある日突然
死を迎えるより、残された時間がわかっているならばできることをやりたいと
思うので。といっても彼らのように派手に。。。はとても無理ですけど★
終わり方もとてもいい終わり方で、ほろりとさせてくれたと思ったら
最後にまたクスッと。。。見終わったら「あ〜いい映画だったね!」と
口からでました。誰にでも見てほしい映画です♪
トミー [DVD]
迫力のある音楽の世界を映像にしたいという欲望を、ストーリーをつけるとこうなるのかという過剰な世界の演出の見本みたいな作品。ファンには嬉しい。ミュージカルというものをお堅く考えている人にはしんどい。実験的な映像というものを望んでいる人にはありがたい。この時代の1流のエンターティーナーをざっと見たいという人にはうってつけ。映画俳優あり、ギタリストあり、ドラマーあり、もちろんロッカーあり、ミュージカルスターも何もかも、おいしいとこ取りといってもいいくらい、役柄と歌と演技に魅了されます。コンサートに行ったと同じよ。
ストーリーは実はシリアスだし、戦争、恋愛、再婚、殺人、トラウマ、自閉、虐待、麻薬、いろんなものが出てきて、宗教家に怒られやしないかってレベルも含んでいるとは思うのだけれど、音楽が全てを解放し、癒しているといっても過言ではありません。
その、歌詞の思想性・哲学的要素は味わってもらうしかありません。もちろんメロディラインの美しさも。私はけっこう泣けます。TOMMYの世界に引きずり込まれてしまいます。
30年前の作品とは思えない、斬新な音楽と映像を堪能して下さい。
スタンリー・キューブリック リミテッド・エディション・コレクション(初回限定生産) [Blu-ray]
「ロリータ」と「バリー・リンドン」がようやくBlu-ray化されるのは嬉しい。
どちらも映像特典が予告編のみなのは寂しいけど。
特典DISCはこれまでのBOXと同じで「STANLEY KUBRICK:A LIFE IN PICTURES」。
ただし今回はDVDではなくBlu-ray Discの様だ。この特典DISCは
「時計じかけのオレンジ 製作40周年記念エディション」に付属するのと同じ物。
本編DISCに新規映像特典が追加された代わりに「O Lucky Malcolm!」が
特典DISCの方に移動している。40ページのブックレットもそのまま封入されるので
こちらを買えば「製作40周年記念エディション」を一緒に買う必要はない。
「2001年宇宙の旅」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」
「アイズ ワイド シャット」は内容に変更はないとの事で、つまり「シャイニング」は
119分のコンチネンタル・バージョンのまま。2度目のDVDから日本やヨーロッパ圏では
ずっとその状態なので、今後もそれは変わらないのだろう。
現時点で「ロリータ」と「バリー・リンドン」は単品化の予定はない、とされているけど
恐らく後に単品化されるので「スタンリー・キューブリック コレクション」を
購入済みの人はそれを待つのも良いかもしれない。リニューアルされた「時計じかけのオレンジ」が
ほしいなら「製作40周年記念エディション」のみ買い足せば済むし。
「スタンリー・キューブリック コレクション」を買っていない、BOX専用ブックレットに興味がある、
「BOXにひとまとめになっている」事に魅力を感じる、ならば買いだろう。