歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~(初回限定盤)(DVD付)
今年の大河ドラマ「風林火山」のオープニングテーマ曲を担当している千住明さんが
編曲しているアルバムいうことで聴いてみました。フルオーケストラアレンジで
豪華で壮大なんですが、特に「桃色吐息」の間奏は荒野を駆け抜ける感じの迫力を
感じました。明菜さんの声を包み込む丁寧なアレンジですね。
ただ、バラード集ということでトータル的に要所要所でパンチのある曲も聴きたくなる
のが私の本音で明菜さんの魅力でもあるかなとも思いました。
「異邦人」は結構テンポが速いのでオーケストラサウンドもビンビン伝わってきて
明菜さんの歌声にもファルセットながら張りを感じます☆
千住さんと明菜さんのコンビで「オーケストラロックカバー集」を制作しても
バラードカバー集に劣らない凄い作品が出来上がるのではないかな〜と率直に思いました。
ゴールデン☆ベスト
柏原芳恵は、80’アイドルにおいて卓越した歌唱力があったのは異論が無い所だろう。
そして、もう一つの事実として彼女の曲は既存のアイドル歌謡という概念とは、異なる一面も見える気がする。所謂80’アイドル歌謡においては、男性ファンを獲得するため?か敢えて脆さや受動的な歌詞を含ませたりする傾向があるが、彼女の曲に関しては、あまりそのような傾向が無い。端的に言ってしまえば、アイドル的な楽曲を維持しつつもフォーク的な雰囲気も全体的に併せ持った印象がある。それは、筒美京平のような王道作家提供曲がありつつ、中島みゆき・松山千春・谷村新司等のフォーク畑の提供曲が多い異色性によっても頷ける。特に上記3者は、作曲に加え作詞も担当しているので、アイドル曲というより上記作家の世界観を体現する橋渡し的役割も果たしている付加性もある。
また、膨大な中島みゆき提供曲を「歌う」歌手は居ても「歌いこなせる」歌手は極稀であるのも事実で、知りうる限りそれを成し遂げた歌手は研ナオコ位か?そういう意味でアイドルでありながら研に比肩する程に「春なのに」のような名曲を生出したのは伊達では無い。「最愛」にしても中島特有の音楽観とメランコリーな空気感を見事に維持している。
デジタル楽器普及が目覚しかった80’中期でも、敢えてアコースティック楽器を使用していた印象もあり、逆に上記のような音楽感を上手く維持できた気がする。優しい弦楽器等が微妙に相乗効果を生んでいる。
前述したようなタイプは、古くは高田みづえ、石川ひとみ辺りから繋がっている印象だが、フォーク等のジャンルそのものが80’中期には衰退してしまう訳で、このようなアーティスティックな魅力を湛えたアイドルという意味では彼女が事実上最後だったのかもしれない。
男たちの大和 / YAMATO [DVD]
日本人にしかつくれない映画だと思います。ロンゲストデイもUボートも戦争映画として傑作ですが、アメリカともドイツとも違う日本の視点での映画、しかも過度に英雄的に描かず、個々の人の気持ちを丹念に描いた作品だと思いました。
最も感心したのは大和が全く活躍しない点です。もちろんCGやモデルで描かれた大和は出て来ますが、ちっとも英雄的に描かれない。敵機をどんどん落とすとかそういうシーンが無い。大和が破壊されるシーン、兵士たちが死ぬシーンが連続します。兵士たちの死もピアノのソロで泣かせるセリフをはきながらなんて一切無い。これは映画監督として脚本家として自分の手を縛りながら心で絵を描くような作業ではないか、と。それは伝わりましたね。
また、この映画の特徴の一つはアメリカの視点が一切無いことですが、それが逆に家族を守るために戦った兵士たちの気持ちを表現するのに寄与していると思いました。アメリカの視点、日本の指導者の視点、それは他の作品に任せればいい。それぞれの真実があるはず。
演技陣も熱演ですし、音楽は久石譲。金払って観るだけの値打ちは充分にある映画です。お勧めです。
アクチュール 2011年 3月号 No.22 (キネ旬ムック)
表紙の高良健吾くんが、いつもの映画の表情と違ってナチュラルで素敵でした。
他に他も沢山の俳優さんが載っていて、何度見ても幸せな気分になりました。
歌姫3~終幕
往年のファンです。このアルバムを聞いて、中森明菜が何かを成し遂げ、本当の歌姫になったと確信しました。スキャンダルの相手たちがそこそこで収まっているのと対照的に、中森明菜はもって生まれた業の深さとその才能ゆえに、十数年のブランクを経て大輪の花を咲かせようとしているのでは…。ジャンルは違うけれど、美空ひばりさんのような活躍の仕方ができる人だと思います。これからも応援していきたい。