日曜日が待ち遠しい! (フランソワ・トリュフォー監督傑作選8) [DVD]
言わずと知れたトリュフォーの遺作。彼の女性観が台詞に出ている。トリュフォーほど女を(女優)を魅力的に描けた監督はいないだろう。女優を活かすこと。秘められた魔性を画面いっぱいに見せること。「終電車」のC.ドヌーヴがまさにその通りであったように、最後まで、トリュフォーは女優に力を注いだ。その最後に当たったのが、最愛のF.アルダンだった。
「隣の女」とはうって変わって、軽快にオープニングに登場する彼女がまず魅力的。キャリア・ウーマンの鏡のようだ。怪しい顔をもった登場人物が次々と現れる中で、役立たずの社長(J=L.トランティニアン)そっちのけで事件の解明に乗り出すバルバラ。サスペンスでありながら遊び心もたっぷりのこの遺作には、トリュフォーの映画ファンとしての生き方が見事に反映されてはいなかっただろうか。