ベスト・オブ・スリー・ディグリーズ
アルバムジャケットではオリジナルメンバーのフェィエット・ピンクニーが抜け、メンバーチェンジしてますね。70年代の初来日公演(東京音楽祭世界大会を入れれば再来日)で感じたのは、一見控え目な彼女がディグリーズのボーカルアンサンブルの要であるということ、リードは顔も派手なシーラ・ファーガソンなんだけど、ショウではソロもとりましたフェイエットは実力派の歌い手でした。やはり売れずに苦労してきただけ有り、鍛えられております。
もうオリジナルメンバーのディグリーズが観られないのは残念だけど、ジーン・ハックマン主演の刑事もの「フレンチ・コネクション」の前半、酒場のシーンでステージで歌う彼女らが観られます。「Everybody Gets To Go To The Moon」良い曲です。
1965年発足と言う事で本国ではキャリアの長い彼女らですが、60年代に発表されたレコードにも良い曲がたくさんあります。ちなみに私は「I Turn To You」という曲に惚れ込んでいますが、こうした過去のアルバムも復刻されれば良いのに......。
ともあれこうしていくつものベスト盤が時代を越えて愛聴されている事は、ファンとしても嬉しい事です。バレリーを除けばフィラデルフィア出身の彼女らは名実共に、フィラデルフィアソウル・いわゆるフィーリーサウンドの女性グループ代表ですね。~
フレンチ・コネクション ブルーレイディスクBOX [Blu-ray]
いやぁ、他のレビュアー諸氏の方々の絶賛ぶりに、つい手が出てしまいました。LDもDVDも持っているのにね(笑)。でも、結果は、満足出来るものです。(一応言っておくと、当方は、三菱LVP−D1208プロジェクター100インチとパイオニアPDP−503HDプラズマ・ディスプレイの両方で視聴しました)。
W・フリードキンによるPart1は、オーウェン・ロイズマンの撮影。ロイズマンは70年代のアメリカ映画界を代表する名カメラマン、そのドキュメンタリー・タッチで薄汚れた色調は、実際NYの街頭で、多くのロケーションを組み、ローライトレベルから生み出されたもの。フィルムの粒子のざらつき感そのままを再現してくれている画質は、確かにオリジナルの肌触りです。
J・フランケンハイマ−によるPart2は、クロード・ルノワールの撮影。その名の通り、ピエール・オーギュストとジャン、偉大な芸術一家のルノワール家の血筋を引くカメラマン。一転こちらは、南仏マルセイユの陽光爽やかな日差しそのままの鮮やかでコントラストが効いた画質、DVDからは明らかにクオリティが向上しています。
両作品共、甲乙付け難い傑作。宿敵シャルニエをひたすら追い続けたポパイ・ドイルの取り憑かれたような執念、そのタフネスぶりと息も絶え絶えの疾走感が、男心をくすぐります。
フレンチ・コネクション DVDコレクターズBOX
改めて観直してみると、オスカーを獲った1より2のほうが断然面白かったのは、私だけでしょうか?ハックマンは当然としてパルテルミー役のベルナールフレッソンの武骨な男臭い演技もみどころです。二人とも全然イケメンじゃあないところも凄い。いい時代のいつ観てもなかなか捨てがたい映画です。