京極夏彦 怪 赤面ゑびす [DVD]
2001年8月リリース。京極夏彦原作・企画・脚本による、時代劇ミステリー第3弾。原作は『後巷説百物語』の『赤えいの魚』だ。『後巷説百物語』の中でも一番好きな作品で期待して観てしまった。で、なかなか良くできていて(仲良しの大沢在昌が出ていて嗤った)、笑った。ただしやっぱり「必殺」シリーズぽい。「必殺」シリーズを担当した松竹京都映画が制作していて、仕上がりがそっくりだ。つまり全部が作者京極夏彦の『好み』で作られているのだな。
あんまり「必殺」シリーズに似すぎだと、閉口する・・・・まあやはり面白いので許すが、ただ原作が余りに素晴らしいので、全く別の映像化能力に長けた榎木津(!!)氏のような人に再度挑戦して欲しい気がもの凄くする。
ストーリーは凄く良くできている。いかにも『百物語』に在りそうな話だ。世継ぎ世継ぎと急かされるのも何処かの国と一緒な気もしたな。
巷説百物語 狐者異 [DVD]
wowowでこのドラマを見ました。
原作とはちょっと違うのですが、配役といい、堤監督の映像感といい
映像化された京極夏彦さんの作品の中では一番に良かった作品でした。
出来ればこのまま映画として全作品を撮って欲しいくらいです。
後巷説百物語 (角川文庫)
叉市たちの活躍は、隠居となった百介の回顧譚なので、淡々と語られるのみとなり、前作までの現場での生々しさ、シャープさが見られないのはちょっと寂しい。
しかし、叉市やおぎんの消息を感じられる場面は、百介の視点で懐かしく、うれしく思う。
また京極堂シリーズにつながる人物や、キーワードが発見できます。
読後、百物語シリーズや京極堂シリーズを読み返したくなります。
続巷説百物語 (角川文庫)
「巷説百物語」の中の最高巻。シリーズ中、2005年現在のところ時代物として最高のクォリティ。直木賞受賞作「後…」は、前振りが長く構成に無理がある。
真の直木賞は、これです。
このクォリティで行くと、こりゃ「梅安」になりますぞ。(わかりにくくてスイマセンぬ。汗)
西巷説百物語 (怪BOOKS)
「巷説」シリーズも五作目。
今回は、舞台を大阪に移しての物語です。
主人公は、靄船の林蔵です。
月の魔性を扱った「桂男」、死人の供養を怠るとどううなるかという「遺言幽霊 水乞幽霊」、狼の血を引く刀匠を扱った「鍛冶が婆」、夜の楽屋の人形争い「夜楽屋」、骸に踊らされた庄屋の凶行「溝出」、赤子を育てた豆狸「豆狸」、そして奸計を巡らし自分の首を絞めることになった「野狐」の7作品が収められています。
このシリーズの魅力は、何と言っても摩訶不思議な世界の様に見えながら、人間の「業」を見事に描ききっているところでしょう。
しかも、そこに登場するキャラクターが魅力的です。
そのあたりが、どちらかと言うと暗くなりそうな話を、それほどでもなくさせている大きな要因でしょう。
どの一編を取り上げても読みごたえのある面白い話ばかりです。
流石「京極ワールド」。素晴らしいです。